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憧れていた鳥栖でJ1デビュー! 186cm“大器”関東学院大SB長澤シヴァタファリが初のU-22日本代表候補入り「夢は世界で活躍すること」

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関東学院大のDF長澤シヴァタファリ(4年=東京武蔵野シティFC U-18出身)

 Jクラブからの注目を集めた大器が2年越しに大きなチャンスを掴んだ。関東学院大のDF長澤シヴァタファリ(4年=東京武蔵野シティFC U-18出身)はパリ五輪世代のU-22日本代表トレーニングキャンプ初招集。2021年には当時のU-20日本代表に選ばれながら負傷辞退する悔しさも味わったが、来年の本大会行きに向けて「ここから自分の持っている力をしっかりアピールして、どんどん食い込んでいけるように頑張りたい」と意気込んだ。

 186cmの体躯から繰り出す豪快な攻め上がりは迫力満点。すでに来季のサガン鳥栖加入が内定し、J1リーグデビューも果たした逸材が世代別日本代表への“初合流”を果たした。練習後の取材では「日本のトップレベルに自分が関われているという実感はまだ湧かない」と謙虚に語ったが、ますます大型化が進む世界のSBトレンドに見合うポテンシャルを持つ21歳には大きな期待が集まっている。

 今月6日に鳥栖への加入内定と特別指定選手登録が発表されると、9日のJ1広島戦に右サイドバックでJ1リーグデビュー。その試合は「自分の良さを出せなかった」と不完全燃焼のまま前半限りで途中交代となったが、19日のルヴァン杯札幌戦にも右ウイングバックで起用され、長身を活かしたヘディングのフリックからプロ初アシストも記録した。

「ルヴァン杯ではちょっとずつ自分の良さが出せていた。自分のサイドの高さは相手に対して脅威になっていたし、得意なクロスも何本か出せたので、もっともっと練習からやっていって試合で回数を多くしていけたらと思う」。そんな手応えを得ている一方で「トランジションの部分は大学とプロでは違うので、もっともっと改善しないといけない」と課題も実感。鳥栖のチームメートの切り替え意識の高さに刺激を受けつつ、「自分も学びながら成長していると思う」と高い基準を吸収しているようだ。

 数々のJクラブが熱視線を送る中、鳥栖に決めたのは「キャンプに参加させてもらって雰囲気も良かったし、ここでなら自分のレベルアップにつながると思った」ため。しかし、MF鎌田大地(フランクフルト)らを輩出していた育成型クラブへの憧れはそれ以前から持っていたという。

「実は高校生の時から鳥栖に行きたいと思っていた。自分は海外でプレーしたいという目標があって、高校から大学の進路が決まった時にも将来海外でプレーするためにどうしたらいいかを考えていた。そこで育成に力を入れていて、選手が海外にステップアップしていくのを見ていたので鳥栖に入りたいなと思った。その時は大まかなイメージだったけど、大学に入ってから本当に話が来たので、こんなチャンスは他にないと思って決めた」。まさに相思相愛の鳥栖加入だった。

 A代表でもDF菅原由勢やDFバングーナガンデ佳史扶といった近い世代が抜擢されるなど、現在のサイドバックは絶対的な存在が不在。規格外のポテンシャルを持つ長澤のアピールが実れば、チャンスは巡ってくるはずだ。「自分の夢は世界で活躍すること。Jリーグ、ルヴァンでもそうだし、大学に戻ってもレベルアップし続けて、どんどん日本のトップレベルの舞台で勝負できたらと思う」。まずはこの3日間のトレーニングキャンプを飛躍への足掛かりにしていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

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