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借りはすぐに返すのみ。「裏取り名人」MF杉浦駿吾(名古屋U-18)が狙う逆襲への第一歩

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U-17日本代表MF杉浦駿吾(名古屋U-18)は初戦の悔しさをベトナム戦で晴らす

 その背番号が示す通り、杉浦駿吾(名古屋U-18)は本来U-17日本代表の主軸候補だ。しかし、出遅れての調整となる中で第1節はベンチスタート。交代でピッチに立ったものの、ゴールチャンスを逸した点を含めて期待されたパフォーマンスレベルではなかった。

 他人から言われるまでもなく、誰より本人がそのことに自覚的だ。

「1試合目、途中から入らせてもらったのにチームに勢いを与えることができなかった。次の試合に出られるのであれば、自分のストロングポイントをしっかり出して、自分が試合を決められるようなプレーをしたいし、そのための準備をしっかりしておきたい」(杉浦)

 ドリブルのスキルも備えるが、最大の持ち味は動き出しの良さ。タイミング良くスペースへ飛び出していくプレーは最大の売りで、期待されるのはまさにそうしたランニングプレーでチームにダイナミズムを与え、ゴールを奪い取ることにある。

「自分の良さは予測してアクションして(相手の)背後を取ることだったり、中へスピードを活かして入っていくことなので、強みをどんどん出していくイメージはできている」

 活かし活かされるタイプなだけに、重要なのは周囲とのコンビネーション。「とにかくしっかり周りで出てる選手とはコミュニケーションを取りたい」とした上で、「そうやって出し手の良さも活かせるようにしたいし、お互いに活かし合う関係性を作りたい」と言う。

 フィジカル的な状態は100%まで戻していく過程にあるようだが、「日本のために戦う場なので、そこは関係ない」とキッパリ。先発するのであれば、「やれるところまでやり切るだけ」と腹をくくってもいる。

「第1戦に出てやっぱりアジアの予選は簡単な試合にはならないんだということを分かってはいたけれど、自分が思うようなプレーを簡単に出させてはもらえない」と、アジア予選ならではの難しさは認識しつつ、「ただ、1試合目でその感覚もわかったので、次は120%を出し切るだけ。それがチームの勝利にも繋がるし、自分の価値を高めることにも繋がると思っている」と前を向く。

 第1戦の借りは第2戦ですぐに返す。スペース攻略の達人・杉浦は、ベトナムの堅守を撃ち貫く“裏取り”を見せてくれるはずだ。

(取材・文 川端暁彦)
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