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“ハマのオールラウンダー”望月耕平(横浜FMユース)が練習→試合の猛アピールを実らせる

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後半29分、U-17日本代表MF望月耕平(横浜FMユース)がこの日2点目のゴール

[6.20 AFC U17アジアカップGL第2節 U-17日本 4-0 U-17ベトナム]

 AFC U17アジアカップ第2戦の前々日、MF望月耕平(横浜FMユース)は「出るにしてもどこで出るのかわからないんですよね」と言って笑っていた。

 センターFWからボランチまで多彩なポジションをこなし、いずれの位置も高いレベルでこなせるオールラウンドプレーヤー。選ばれた選手の顔触れから今回はFW起用が有力かとも思われていたが、「人数の関係もあって練習で右SBもやったり、ミーティングで張り出された表で左MFのところに自分の名前があったりもしたので、分からないんですよ」と言う。何でもできる選手なだけに、あらゆるポジションを想定しておく必要があるというわけだ。

 第1戦で出番なく終わったことは「本当に悔しい」としたが、「ガッツリ切り替えて練習に入りました」とも言う。練習でポスト役に命じられれば、「そういうのもできるところを見せられるチャンスだと思って」懸命にこなした。

 試合翌日の練習は試合に出た組と出ていない組に分かれるためにモチベーションを落としてしまう控え選手もいるが、「人数少ない練習はアピールのチャンスだと思っていた」と逆にポジティブに解釈。この姿勢が実り、森山佳郎監督から「(望月は)トレーニングで一番良かったので先発に決めた」と第2戦でのスタメン起用を勝ち取った。

 迎えたベトナム戦、「最初はミスが目立ってしまっていたし、自分にとって良い流れとは言えなかった」と振り返るように、前半のパフォーマンスは必ずしも良くなかった。周囲とプレーの意図が噛み合わないようなシーンもあったが、「ピッチ内でも話し合って」徐々に改善。緊張もほぐれた後半は望月の本領発揮となった。

 最初の見せ場は後半14分。右サイドを突破したDF柴田翔太郎(川崎F U-18)のマイナスのクロスに走り込みながら合わせて2点目のゴールを突き刺してみせた。ペナルティーエリア内でクロスを待ち受けているDFとDFの間に走り込みながらのワンタッチシュート。「クロスが上がるタイミングで入っていけばDFは対応できない」という言葉どおり、完全に相手DFを出し抜いての一発だった。

 さらに「こぼれ球を予測して狙えた」のが2点目のゴール。交代出場で意欲的なプレーを見せたMF山口豪太(昌平高)の左足シュートをGKが防いだリバウンドボールを抜け目なく望月が押し込んでみせた。

「前(のポジション)で出たら、どこからでもゴールを狙っていきたい」

 点取り屋にもなれるオールラウンドプレーヤーがトレーニングから繋げた確か輝きを放ち、チームに貴重な勝点3と小さくない得失点差のアドバンテージをもたらした。

(取材・文 川端暁彦)
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