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決勝でもエレガントかつ大胆に。佐藤龍之介(FC東京U-18)は韓国貫くパスで魅せる

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U-17日本代表MF佐藤龍之介(FC東京U-18)は守備で貢献度の高い動き。そして、2ゴールを演出した

[7.2 AFC U17アジアカップ決勝 U-17日本 3-0 U-17韓国]

 AFC U17アジアカップ決勝は結果的に3-0の勝利で終わったが、別に簡単な試合だったわけではない。MF佐藤龍之介(FC東京U-18)はこう振り返る。

「韓国は他のチームと違う質があって、自分がプレスをかけづらいところもあって苦労した部分はありました。ただ、試合をしながら良いコミュニケーションも取れて、ボールを奪えるシーンも増やしていけたと思います」

 日本が段々とペースを掴んでいった試合だったが、佐藤の位置での守備の利き方は一つのキーポイントだった。前に圧をかけるだけでなく、プレスバックして相手を挟んでいく部分を含め、エレガントな技術に加えるもう一つの特長である、守備センスの良さも随所に見せた。

 そして後半、今度は攻撃でアトラクティブなプレーを見せ続ける。巧みな技術で相手をいなし、急所をえぐるパスを突き刺していく。

 ハイライトは日本の2点目を演出した縦パスから。後半24分、望月耕平(横浜FMユース)の足元へ「空いてたので刺した」という鬼パスを突き通す。「少し浮いていたし、難しいパスになっちゃったとは思うんですけど、『耕平なら止められるでしょ』と思って出したし、実際そうだった」と笑って言う鋭い縦パスは、粘る韓国を崩す契機となった。

 ボランチに下がってからは中盤の指揮官として振る舞い、チームのバランスを取り続けると、後半アディショナルタイムにはFW道脇豊(熊本)の3点目をアシスト。「豊は動き出しが良いので合わせるだけだった」とサラッと言ったが、その動きを見逃さない目はさすがだった。

 もっとも、大会全体のパフォーマンスについては「満足できない」と言う。理由は「2点しか取れなかった」こと。もっと決められるチャンスはあったし、もっと決められる選手でなければ、「世界大会で結果を出せない」という意識がある。

 そのために、まずはFC東京でもう一段のレベルアップを図る考えだ。

「世界大会でもチームを勝たせる、決め切れる選手でありたい」(佐藤)

(取材・文 川端暁彦)
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