beacon

森保JのW杯2次予選は政情不安な組分けに…シリアは代替開催濃厚、北朝鮮は平壌開催の実績も

このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年には北朝鮮対韓国戦を平壌で開催

 アジアサッカー連盟(AFC)は27日、2026年北中米ワールドカップ2次予選の組み合わせ抽選会を行い、日本代表はシリア、北朝鮮、ミャンマー対マカオの勝者と同じ組に決まった。いずれも政情不安定な国々が並んでおり、アウェーゲームは代替地で開催される可能性が出てきた。

 2次予選は今年11月に開幕。各組4チームずつの9組でホーム&アウェーの総当たり戦が行われ、各組上位2か国が最終予選(来年9月に開幕)に進む。北中米W杯では出場国が32から48に増え、アジア枠も4.5から8.5に増えることから、予選システムは前回から大幅に変更されている。

 日本は抽選の結果、FIFAランキング94位のシリア、同115位の北朝鮮、同160位のミャンマーか同182位のマカオと同じ組になることが決まった。

 シリアでは2011年以降、政府軍と反体制派による内戦が継続中。外務省からシリア国内全土に「レベル4:退避勧告」の危険情報が出されており、入国が厳しく規制されている。シリア国内での国際Aマッチは2010年を最後に行われておらず、近隣地で代替開催されるのが通例。前回のカタールW杯予選はUAEまたはヨルダンで行われており、日本戦も同様の措置が取られる可能性が高そうだ。

 北朝鮮とは核兵器・ミサイルや日本人拉致などの問題で政治的な緊張関係にあり、外務省は日本人に対して独自の渡航自粛を要請中。正式な国交もないため、アウェーゲームの開催にも支障は避けられない。ただ、日本代表とは現行のグループリーグ方式となった2000年以降、W杯予選では2度対戦。05年のドイツW杯予選のアウェーゲームはタイ・バンコクで開催されたが、11年11月のブラジルW杯予選は北朝鮮・平壌で行われた実績もある。前回のカタールW杯予選では韓国との南北対決を平壌で29年ぶりに開催しており、国内での試合開催には前向きな様子。しかし、コロナ禍では国外との交流を避けるため、2次予選を棄権しており、現在の対応は不透明な状況となっている。

 もう1つの対戦国は、10月に行われる1次予選の結果次第で決定。ミャンマーとマカオがホーム&アウェー方式で対戦し、勝者が日本と同じ組に入る。

 ここで上位のミャンマーが勝利した場合、同じくアウェーゲームの開催は微妙な情勢となる。カタールW杯の2次予選でも日本と対戦し、2019年のアウェーゲームはヤンゴンで開催されたが、21年初頭にクーデターが発生。一時ミャンマー国内で試合を開催できない状況となっていた。日本でも現在、外務省から「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」の危険情報が発出中。昨年12月以降、再びミャンマー国内での国際Aマッチが再開しているが、21年5月の日本でのホームゲームではクーデター政権への抗議活動が起きた背景もあることから、慎重な対応が求められそうだ。

TOP