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「流経魂を見せてこい!!」。U-17日本代表初招集の流経大柏MF柚木創が魂の代表初ゴール!

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後半37分、U-17日本代表MF柚木創(流通経済大柏高、2年)が左足で代表初ゴール

[8.8 Balcom BMW CUP第1節 広島ユース 2-4 U-17日本代表 広島広域公園第一球技場]

「流経魂を見せてこい!!」

 背中を押されて代表デビュー戦に臨んだMF柚木創(流通経済大柏高、2年)が、個の力と「流経魂」を発揮した。0-2の後半19分、森山佳郎監督から「流経魂を見せてこい!!」と鼓舞されてピッチへ。同じくベンチスタートだったMF山口豪太(昌平高)からCB山本虎(青森山田高)のキャプテンマークを託された柚木は、「(森山監督に加え、)山口君が自分を勇気づけてくれました」。投入直後からフルスロットルで駆け回った。

 右SHのポジションで切り替えの速い攻守。柚木は166cmと小柄で攻撃スキルの高さが特長だが、球際での献身的な動きも特長だ。後半33分の勝ち越し点は、柚木が獲得したFKによって始まった攻撃から生まれたもの。そして、この日のハイライトは後半37分のゴールシーンだった。

 U-17日本代表は敵陣右中間で奪い返し。ボールを持った柚木は後方からプレッシャーをかけてきたDFにボールをつつかれてしまう。だが、ここからが見せ場。エンドライン方向へ転がったボールに誰よりも速く反応すると、DFとのデュエル勝負を制して回収する。

「あの中で(反応は)誰よりも速かったと思うし、その後のぶつかったことに関しても流経のフィジカルというところは活かされたと思います」。そして、ゴール方向へドリブル。相手DFの状況を見てパスからシュートへ判断を変えると、マークを外してからの左足シュートをファーサイドに決めた。ゴールの外側から巻いて決める技ありの一撃。柚木はピッチで大の字になってゴールを喜んだ。

 森山監督は「球際で戦って、ゴール向かって突破して、自分で決め切った」と柚木のプレーに拍手を送り、ハイタッチ。0-2の状況から逆転勝ちに貢献した柚木は、「負けている状況だったので、『もうやるしかない』という気持ちだったし、その気持ちがプレーにも出たんじゃないかと思います。『流経スタイル』、前からガンガン行く、走り続けるということに関して他の人と違いを見せられたんじゃないかと思います」と会心の表情を見せていた。
 
 柚木はインターハイ予選で名門・流経大柏の10番を背負った2年生アタッカーだ。ドリブルやキックに自信を持ち、ボランチから前のポジションならばどこでも質の高いプレーのできるMFは、プレミアリーグEASTでも毎試合のように活躍。ただし、代表チームの大枠に入っていると言われながら、なかなかその機会が訪れなかった。

 今回が待望のU-17日本代表初選出。「なかなか選ばれない日々が続いてやっと選ばれた代表だったので、何としても結果を出して代表にい続けられるようにしたい」。その強い思いと名門校で養われた精神力の強さ、テクニックをピッチで表現した。

 Balcom BMW CUPは残り2試合。自分が代表チームで「何ができるか」を示す。「今のところは後悔なくプレーできていると思いますし、このBMWが終わった時に悔いが残らないようにプレーし続けたい。チームを勝たせられるような選手になりたいです。ボクはユーティリティというところはアピールしていくところだと思うし、決定力や前に行く姿勢は流経から養ってきているところなので、代表でも出していきたい」。逆転でのU-17ワールドカップ出場へ。スキルの高さと「流経魂」で世界への切符を勝ち取る。



(取材・文 吉田太郎)

●U-17ワールドカップ2023特集ページ
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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