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アジアの悔しさは「良い経験に」。G大阪ユースの10番MF宮川大輝はクラセン優勝に続き、Balcom BMW CUPでも結果と表現力を求める

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U-17日本代表MF宮川大輝(G大阪ユース、3年)はU17アジアカップのチームメート、広島ユースMF中島とボールを奪い合うシーンも

[8.8 Balcom BMW CUP第1節 広島ユース 2-4 U-17日本代表 広島広域公園第一球技場]

 クラセン王者の10番が求めているのは、結果と表現力だ。MF宮川大輝(G大阪ユース、3年)は、U17アジアカップ優勝メンバーの一人。だが、出場機会はグループステージの2試合に留まり、準々決勝以降はピッチに立つことができなかった。

 悔しい優勝。だが、本人は「自分としてはあんま試合出れないって初めての経験だったので、良い経験になりました」と前向きに捉えている。06年早生まれの宮川は、今年になって初めて年代別日本代表入り。ボランチのポジションを争うMF中島洋太朗(広島ユース)やMF山本丈偉(東京Vユース)、MF矢田龍之介(清水ユース)に比べると代表経験は浅く、そのことも出場時間に影響したかもしれない。

「それもあるかもしれませんけれども、自分が良い選手だったらそんなの関係なく使われると思うので、絶対にアピールして(U-17ワールドカップ、11月)メンバーに入りたいと思います」。その宮川は帰国後、アピールを続けている。7月から8月にかけて行われた日本クラブユース選手権(U-18)大会ではG大阪ユースの10番、司令塔として日本一。「できないといけないと思っている」という攻撃面に加え、U17アジアカップで課題となっていた守備面でも、チームに貢献できたと感じている。

 この日はクラブユース選手権でも対戦した広島ユースと対戦。前半は初招集組や復帰組ととの共通認識を欠いて苦戦を強いられた。だが、後半は「みんなで合わせて、自分とかもう一人のボランチ(川合徳孟や布施克真)が声かけて全員で守備へ行くのはしっかりできたかなと思います」というように、声によって守備から改善。宮川は鋭いアプローチでマイボールに変え、正確な配球で逆転勝利に貢献した。アジアカップの悔しさ、もう一度アピールして「U-17ワールドカップメンバーに入る」という思いは大きなエネルギーになっているようだ。

「(U17アジアカップの)悔しさをまずクラブユースで出せて、ここでまた出せたら良いと思います。ここでアピールしないとワールドカップに行けないと思う。(アピールしたいと)全員が思っていると思いますけれども、きょうは結果とか出せなかったんですけれども、次はしっかりと結果を求めてやりたい」

 宮川が自身に必要だと考えていることが結果、そして「表現力」だという。「我を出すというか、自分は感情を出すとかそういうタイプではないので。でも、それをしないとワールドカップ出てもキツイと思うので、もっと表現力をつけないといけない」。宮川は今年の代表活動では攻撃に係わり続けることや精度など淡々とタスクを実行して評価を向上。だが、守備の課題とともに実感したことが「表現力」の課題だった。

 クラブユース選手権ではその部分も意識。「みんなを引っ張ろうという意識で声も出ていたと思うので、良い感じだと思うので、継続だと思います」。今回、U-17日本代表の活動は11日まで。自分を表現し続け、結果を残して、U-17日本代表にとって欠かせない存在になる。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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