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藤尾翔太がパリ五輪に一歩進む値千金ゴール! U-22日本代表の縦→縦→攻撃から好判断の右足ダイレクト弾

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FW藤尾翔太

[9.9 U23アジア杯予選GL第2戦 日本1-0パレスチナ マナーマ]

 パリオリンピックに向けて着実な一歩となるゴールだった。FW藤尾翔太(町田)が決めた前半23分の先制ゴールは、そのまま勝利につながった。「決勝点になって勝てたことは、ぼくも嬉しい。チームも勝ててよかった」と素直に喜びを語った。

 U23アジアカップ予選は、2024年パリ五輪の一次予選も兼ねる。グループリーグ3連戦のうち初戦・パキスタン戦を6-0で勝利したU-22日本代表だったが、同じく初戦でバーレーンに勝利したパレスチナとの上位対決では序盤から苦しい展開となる。パレスチナは4-4-2の布陣で固くブロックを敷き、日本のパスを防いでいった。

 だが、日本も一瞬の隙を見逃さない。前半23分、DF高井幸大が最後方からチャレンジングな縦パスを通すと、MF山本理仁は持ち前の巧みなスキルを狭いエリアで披露。パスを収めると同時に再び縦にすばやくパスを送る。今度はMF小田裕太郎がボールを止めることなくPA右に入り込み、マイナス方向に折り返した。

 そして、PA中央に走り込んだのは藤尾。相手DFは2人いたが、藤尾は急ストップでマークをうまくはがす。「前に行くふりしてちょっと待った。相手がかかってくれた」。小田からの速くて低いパスに対し、無理せずミートを重視する。「ボールが速かったのでほんまに当てるだけのイメージ」でゴールに流し込んだ。

 藤尾が先制点を挙げたものの、日本の勢いはその後もなかなか上がらない。結局、先制点が決勝ゴールとなり、1-0で試合終了となった。藤尾のゴールがなければ引き分けだった可能性も。自身の得点が勝利につながり、「あそこで取り切れて、やっぱりチームも多少楽になった」と振り返った。

 4か国で争うグループリーグで、グループ首位は来年4月にカタールで行われるU23アジア杯に出場できるが、グループ2位は11組あるうちの各組2位の成績上位4チームしかU23アジア杯に進めない。試合内容よりも、首位に立つためにはどんな形であれ勝利が必須だ。初戦に続く連勝に安堵しつつ、それでも苦戦を強いられたことには悔しさをにじませる。

「相手の守備が思ったよりも固くて、自分たちの攻撃のバリエーションが出せなかったことが、自分たち的には苦しかった。焦れずにやって勝てたことは一番よかった」

 連勝で首位に立った日本は、12日の第3戦でバーレーン相手に引き分け以上でU23アジア杯出場が決まる。だが、一発勝負でのプレッシャーの懸かる戦いにもなるだろう。「もっとチャンスを作れるように、チームで直していかないといけない。固められて点が取れないとなってくると、これからも厳しくなる。それはこれからの課題」。まずは中2日でやってくるバーレーン戦を勝利し、チームの攻撃面も改善するつもりだ。

(取材・文 石川祐介)

●AFC U23アジアカップ2024予選特集ページ
石川祐介
Text by 石川祐介

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