beacon

アジア大会追加招集は「まず悔しさ」も「気負いなし」U-22日本代表の最年少・筑波大FW内野航太郎が“名刺代わり”のゴール

このエントリーをはてなブックマークに追加

チーム2点目を挙げたFW内野航太郎(筑波大)

[9.20 アジア大会GL第1節 U-22日本3-1カタール 杭州]

「ファーストチョイスに入れていないことが悔しかった」

 FW内野航太郎(筑波大)は、今回のアジア大会についてそう語る。最初のメンバー発表に自身の名前はなく、その後にFW熊田直紀(FC東京)の負傷によって追加招集。それを「まずは悔しかった」と表現できるのは、「結果を出してきた」自負があるからだろう。

 今季、内野は横浜FMユースから筑波大へと進学。1年生ながらすぐに出場機会を掴み、ハイレベルな関東大学リーグで得点王を争うレベルでゴールを積み上げてきた。

「元から準備はしていたので、気負いもなかった。最年少なのでノビノビやってやる、自分の良さを出してやると思ってここに来たし、怖がることもなかった」(内野)

 25分には試合の流れを決定付ける2点目のゴールも奪取。「出た試合は全部点を取るつもりでいる」という生粋のストライカーにとって、大きな意味を持つゴールだった。

 MF西川潤の絶妙なアシストを巧みな動き出しから受け取っての一発。「あれは自分の形というか、自分らしいゴールだった」と胸を張ったとおり、「パリ五輪世代に内野あり」を印象付ける得点となった。

「(西川)潤くんのパスの精度は本当に凄くて、動き出しをちゃんとやりさえすれば、パスが出てくる。それはトレーニングから感じていたし、今日の試合の中でも潤くんから良いボールが来るのに自分が動き出し切れてなくてという場面もあった。自分の良さを活かしてくれるような選手が本当に多くいるので、やり甲斐があるし、ありがたい」

 一方で、国際試合のシビアな一面も感じたと言う。

「大学リーグだと少しミスっても(ボールが)収まるんですけど、このレベルだと少しミスしたり、ちょっと反応が遅れただけで潰される。自分にとっては凄く刺激になったし、本当に良い経験をさせてもらえているとも思った」

 だからこそ、この五輪世代の代表へ、結果を出して生き残ってやるという気持ちもより強く持った。

「ゴールを積み重ねた先にチームの勝利もあると思うし、1試合で必ず1点取りたい。(五輪は)今回呼ばれるまで可能性はゼロだったかもしれないですけど、呼ばれたからにはチャンスがある。ここで結果を出して(メンバーに)食い込めたら」

 相次ぐ負傷離脱で、今回のメンバーで純正のセンターFWは内野のみとなった。筑波の1年生ストライカーが日本のストライカーになれるかどうかは、今大会の日本の戦績をも大きく左右することになりそうだ。

(取材・文 川端暁彦)

●第19回アジア大会特集ページ
川端暁彦
Text by 川端暁彦

TOP