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佐藤恵允は韓国戦で「力不足」を痛感、パリ五輪への課題を手に…ブンデスの舞台で躍動誓う

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MF佐藤恵允

[10.7 アジア大会決勝 U-22日本 1-2 韓国 杭州]

「今日の決勝、まるで力不足だった」

 アジア大会のファイナル、韓国との戦いを終えたMF佐藤恵允(ブレーメン)はそんな言葉で試合を振り返った。

 出足は良かった。開始早々の2分、佐藤が果敢に仕掛けて左サイドを打開したプレーから、FW内野航太郎(筑波大)の先制ゴールも生まれた。「あそこは迷わず仕掛けました」と振り返る好プレーだったが、終わってみればこの試合で佐藤が最も輝いたのがこのシーンだった。

「点取ってからもっと行きたかったのが正直な感想」という佐藤の思いとは裏腹に、チームとしてはそこから失速。先制したことで逆に消極的なプレーも増えてしまい、佐藤に生きたボールが入ったシーンは数えるほど。左サイドのビルドアップを助けようとしたものの、逆に詰まってしまう場面も頻発した。

 1対1のバトルの部分では戦えていた面もあったが、「他の国と比べたらずっと強かった」という韓国守備陣を突破するには至らず。「世界でやっていくためには、パワーや体幹の強さはもっと必要だなと正直感じた」という試合にもなった。

 ただ、大会を通じてみれば、初めて欧州からアジアに移動して代表に合流するという難しい経験をする中で、「徐々にコンディションも上げていけたし、トーナメント全体を観たら成長できた部分もあるし、自信にも繋がった」大会にもなった。

 戦いの場は再びドイツへと移り、ブレーメンでポジションを奪うための競争に挑むことになる。来年のパリ五輪で借りを返すために、ブンデスリーガのピッチに立って活躍する選手になることは必須条件とも言えるだろう。燃える男のリベンジに期待しておきたい。

(取材・文 川端暁彦)

●第19回アジア大会特集ページ
川端暁彦
Text by 川端暁彦

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