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第2次森保J初の“中東アウェー”にも谷口彰悟「帰ってきた感がある」カタール生活で暑熱対策に自信

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半袖ウェアで調整するDF谷口彰悟(アルラーヤン)

 大半の選手が長袖のトレーニングウェアに身を包んで暑熱対策に取り組む中、中東の気候に慣れ親しむ男はいたってマイペースだった。普段はカタールで生活しているDF谷口彰悟(アルラーヤン)は18日、サウジアラビア入り後初の全体練習に半袖の練習着で参加。独特の気候も「僕は感覚的なところもわかっているし、帰ってきた感があって、カタールと似たような感じ」と余裕の表情で受け止め、中東での一戦に自信を示した。

 ちょうど1年前はカタールワールドカップ開幕戦の日。史上初となる11〜12月のW杯本大会に初出場し、そのまま川崎Fからカタールのアルラーヤンに完全移籍した谷口はこの1年間、中東の地で生活を続けてきた。21日の北中米W杯アジア2次予選・シリア戦は移籍後初の中東での代表戦。谷口にとってはある意味、ホームのような感覚で迎えられる一戦となる。

 シリア戦のキックオフは午後5時45分。11月でも日中は最高気温35度に及ぶ日もあるため、冬の気候に慣れ始めた選手たちにとっては日没直後の試合とあっても適応には厳しさも想定され、大半の選手はトレーニングから長袖ウェアを着て暑熱対策を講じている。一方、谷口にはおなじみの気候。高温多湿の中でも過ごしやすい半袖のウェアに身を包み、普段どおりにトレーニングと向き合っている。

 それどころか日没後はやや気温も下がり、試合中には過ごしやすい気候になることが予想されることから「日が沈んじゃえばこのくらいの感じになっているので、だいぶマシになったほうだと思います」と谷口。「今回来ている選手の中では間違いなく土地勘を一番持っていると思うので、ゲームの感覚だとか、90分間のペース配分も含めて掴めているものも多いと思う。伝えられる部分は周りにしっかり伝えながらやっていきたい」と頼もしい言葉を残した。

 さらに谷口は、他の選手たちの適応にも太鼓判を押す。

「普段のリーグではうまく時間を作ったり、そういうことをすることが多い。90分間なかなかハイインテンシティでやるのは正直やっぱり厳しいところはある」としながらも、「代表の選手はもともと強度高くやれるので、自分たちのテンポ、自分たちの強度で相手を上回れるんだったら一番いい。(気候への対処は)あまり気にしなくていいというか、自分たちのやり方でもいいと思っている」と断言。過度に気候による消耗を意識しすぎず、アウェーゲームに挑む働きかけをしていく構えだ。

 17日のミャンマー戦では前半45分間の出場にとどまっており、シリア戦でも引き続き先発起用されることが濃厚。谷口自身も「90分間出るよりは45分で終わっているので、体力的にもそうだし、試合感でもコンディションは上がっている。次に向けてということで準備しないといけない」と連戦出場に意欲を見せる。

 この日はミャンマー戦でコンディションを配慮されてベンチ外だったDF冨安健洋(アーセナル)がトレーニングにフル参加。もし共演となれば、4バックのCBでは初めての先発タッグとなる。

 W杯では3バックの一角で共に長い時間プレーしており、「トミの力、実力はもちろん十分に知っているし、そういう意味では合わせていけると思う」と共通理解は万全。攻撃の組み立てではむしろ相乗効果が得られることも期待でき、谷口は「できることは増えると思うし、より相手を上回っていくイメージができている」とさらなるレベルアップも誓った。

(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア2次予選特集
竹内達也
Text by 竹内達也

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