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上田のハットに刺激受けた浅野拓磨「背中を押してもらっている感覚」左サイド起用の可能性も

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FW浅野拓磨(ボーフム)

 MF三笘薫とFW中村敬斗の負傷を受け、北中米ワールドカップアジア2次予選に臨む日本代表の左サイドハーフは空席状態となった。16日のミャンマー戦ではMF相馬勇紀(カサピア)がフル出場を果たしたが、サウジアラビアへの長距離移動を経て迎えるシリア戦は入れ替えが必至。10月シリーズに続いてFW浅野拓磨(ボーフム)がスクランブル起用される可能性が浮上している。

 試合会場のプリンス・アブドゥラー・アルファイサル・スタジアムで非公開にて行われた前日練習後、報道陣が取材対応のためスタジアムに入ると、浅野が森保一監督と長い時間話し込む姿が見られた。浅野は「ゲームの中の確認事項を確認できるうちにしておかないといけないので」と詳細は明かさなかったが、1トップでは長年にわたる共通理解があるため、不慣れなタスクを与えられていることが想像できた。

 もっとも浅野はどのポジションであっても、試合に臨む姿勢を変えるつもりはない。「試合が始まってみないとどういう試合になるのか、相手がどういう戦いをするのかも正直分からないので、まずは自分たちがやれることを100%ピッチで表現するための準備をしている」。分析情報は頭に入れるが、信じ込むだけではない。なにせアジアの戦いは想定外がつきもの。特に日本戦では普段と異なる戦い方を選択してくる相手も多く、プランにハマらない試合も多い。

 そうした中で浅野はまず「スペースがあれば間違いなく自分の強さ、今の日本代表の強さがより生きると思うので、そこは一本も逃さず、狙う準備をしていきたい」と自身の強みにフォーカス。「とにかく早く1点を取って、主導権を握る戦いをできれば戦いやすい状況が作れる。まずは早くゴールを取れるようにイメージを共有して戦いたい」と結果を出すべく意気込んでいる。

 浅野が欠場したミャンマー戦では、相手が徹底的に守備を固めてきた中、FW上田綺世がハットトリックの大活躍。「見ていてもすごく難しい戦いだったと思うし、格下相手と言ってもあれだけスペースを消されるとやれることも少なくなって、FWとしてはフラストレーションがたまる試合になる。それでも動き出しを止めず、常に動いている姿勢がベンチから見えた」。その姿は浅野にとっても大きな刺激となったようだ。

「同じFWの選手として、どんな試合であろうとゴールを取るのは一番求められること。そこを見せてもらって、自分自身も結果を残さないといけないという刺激を前の試合から得ることができた」

 どのポジションで出るとしてもストライカーの魂は変わらない。「チャンスがあれば結果を残すことだけを考えて、どこで出ようが関係なく、ゴールは常に求められているし、自分自身にも求めているので、人ごとで終わらず、しっかりこだわっていきたい。背中を押してもらっているような感覚なので、自分もより求めてやっていきたい」。得点という明らかな結果で、エース争いで後に続いていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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