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日本vsタイ 試合後の森保一監督会見要旨

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森保一監督

 日本代表は1日、「TOYO TIRES CUP 2024」でタイ代表と対戦し、5-0で勝利した。

 以下、試合後の森保一監督会見要旨

●森保一監督
「元日から国立競技場までたくさんのサポーターの皆さんに来ていただいた。テレビやいろんなメディア媒体を通して、われわれの試合を観ていただいたサポーターの皆さんの応援にまずは感謝を申し上げたい。ありがとうございました。そしてスタジアムの雰囲気作りであったり、いろんな方々が注目して観てくださるということで、選手が大きなチャレンジをする雰囲気を作ってくださった。ありがたかった。私自身は元日に国歌を歌い、日本人である喜びや誇りを感じながら、この国際試合に挑めたことは1人のサッカーに携わる人間として幸せな思いでいた。選手たちも元日に国立競技場で、多くの皆さんの注目をいただきながらプレーできることを喜びと感じていた。応援してくださってる方々に届けるということと、自分たちがチャレンジする姿を観ていただいて、今年1年頑張ろうという気持ちになっていただければということで、選手たちもいろんなチャレンジをしてくれた」

「試合については、やはりそう簡単に崩せる相手ではなかった。だが、選手たちは前向きに攻撃を仕掛けてくれた。なかなか最初はうまくこじ開けることはできなかったが、しつこく粘り強く何回も攻撃を仕掛けることで、最後ゴールを奪い取ろうということを前向きにゴールに向かってプレーしてくれたことが、5得点ということにもつながった。いわば急造のチームで、そう簡単にスムーズに機能するのは難しいと思っていた。だが、選手たちがピッチ内外でチームがやるべきことと、お互いの良さを出すためにコミュニケーションを取ってくれたことが、この試合の勝利に結びついたと思っている」

「サッカーについては以上だが、今ニュースで石川県が大きな地震に見舞われたということを見させていただいた。ロッカールームでもその話題は出ていた。まだ状況は把握していないが、石川県で被災された方々にお見舞いを申し上げたいと思う。皆さんが無事であるということ、そして日常生活が壊れてしまうような被災は少しでも少ないことをお祈り申し上げる。そして被災の状況を見て何かできることがあれば、現地で大変な思いをしている方々のために何かアクションを起こせればと思う。まずは被災されてる方、大変な思いをされている方々にお見舞いを申し上げるとともに、この寒い中で耐えなければいけないということに励ましのエールを送りたい」

──前半のようにアジア杯でも得点が遠いときはある。後半に取れたことをどう見るか。
「後半5得点という結果につながったところは、後半だけのチャレンジではなくて、前半から選手たちがゴールに向かってプレーするということ、ゴールを奪うということを意識してプレーを重ねてくれたことで、後半の相手の疲労や疲弊を生んでゴールを奪うことができたと思う。チャレンジを重ねることでお互いがやるべきこと、チームとしてやるべきことが、よりスムーズに後半につながった。前半から、もっと言うとトレーニングからチャレンジし続けようという選手たちの姿勢が、後半の得点を生んだ。流れをつかむきっかけになった」

──後半から入ったMF堂安律の評価はどうか。
「前半は(伊藤)涼太郎と(奥抜)侃志が初代表の中で自分の良さを出すという部分と、チームのために献身的に戦うという部分を合わせ持って、相手に立ち向かった。そしてゴールに向かってプレーしてくれたことで、後半のいいつなぎになった。堂安はチームではサイドのポジションでプレーすることが多いがトップ下に入った。ゴールに向かうプレーと起点になるプレーを前半の流れからいい形で受け取って、自分の良さを出しながら相手に圧力をかけていくというところで、チームで連携、連動して流れを掴み取れるプレーをしてくれた」

──前半から意欲的な動きがたくさんあった。トレーニングの成果か。
「前半は得点だけ見ると0-0。攻めあぐねているというところが出ていた。だが相手も力のあるチームで粘り強く戦ってきた。そう簡単にはいかないと思っていた。そこで得点は奪えず、また形としてはまだまだミスも散見はされたが、トレーニングからコーチたちが攻撃や守備の形ということでいい落とし込みを選手たちにしてくれたので、選手個々の役割とチームで戦うということをやり続けることにつながった。トレーニングでやったことを繰り返しやることで、我々のスムーズな連携、連動につながっていった。結果、得点にまたつながるということになったと思っている」

──前半の守備はもっと理想的な場所があったように見える。森保監督は納得しているか。
「机上で考えるのは簡単だが、相手も上手く、選手たちは何度かより高い位置でボールを奪おうとトライしながらも外される部分もあった。そんなに簡単に行くものではないと思って見ていた。もっといいスイッチといい追い込み方をすればボールを奪えたというところは何度かあったと思う。そこはさらに上げていけるようにしたい。あと、ボールを奪えないまでも、そこで間延びしてスペースを与えて相手の攻撃の回数を増やさせてしまってわれわれのペースが乱れる、というところがなかったことは、選手たちは我慢強さも持ち合わせて修正につなげてくれたので評価したい。より高い位置でボールを奪えるようにということは、相手を見ながらトライしていきたい。しかし、アジア杯で本当に勝っていこうとしたとき、そして世界でわれわれがトップトップの相手に勝っていこうとしたときには、より我慢強く守備をしながら奪って、ボールを奪いに行けるということを磨いていかなければいけないと、今日の試合を見て思った」

──国内外のクラブの所属の違いでコンディションに差はあったか。
「コンディション的には作るのが難しいゲームだった。Jリーグ勢はほとんどのチームが12月の前半に終わり、ACLを戦ったチームはその後も試合があった。ヨーロッパでも直近まで試合をしていた選手と、その一週前までで終わったチームがあった。非常にコンディション作りは難しい試合だった。ただ、これは本当に選手たちが素晴らしいということを、皆さんに知っていただきたい。今回はあえて練習の期間を短くした。Jリーグ勢ももう少し長く招集し、コンディションを上げながら最後にヨーロッパ組と合流して4、5日を使うということも当初考えていた。個々でコンディションを上げてもらいながら、28日からこの試合に向けての活動が始まったが、28日にはゲーム形式のトレーニングをするということをあらかじめ選手たちには伝えてる中で、選手たちがそこに合わせてコンディションを作ってきてくれた。それが今日の試合の結果にもつながった。選手たちがプロフェッショナルとして個々に何をしなければいけないかということを、それぞれが置かれてる環境の中でコンディション作りをしてくれて、この活動に臨んでくれたことは本当に素晴らしい。選手たちのプロフェッショナルとしてのやってきたことに敬意を表したい」

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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