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アジアカップ 日本代表メンバー発表 森保一監督会見要旨

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森保一監督

 日本サッカー協会(JFA)は1日、今月に開幕するアジアカップに臨む日本代表メンバー26人を発表した。

以下、森保一監督の会見要旨

●山本昌邦ナショナルチームダイレクター
「われわれの試合が終了した後に、能登地方で大きな地震があった。本当に心配をしている。被害ができるだけ小さくあってもらえればと祈っている次第。アジア杯は5回目のチャンピオンを目指す挑戦になる。アジアを突き抜けていく上で大事な大会になる。しっかりと準備をしてチームをサポートするのが私の仕事。カタールで7試合を戦えるように準備を進めたい。先ほどまで監督以下コーチングスタッフとミーティングした中からメンバーが決まった」

森保一監督
「被災地の皆さんの無事をお祈りするとともに、被害が最小限に抑えられることを祈っている。これから被災地の復旧復興に向けて、多くの方々が大変な思いをして過ごされる。大変な思いをされている皆さんの心に寄り添いながら、われわれもできることをやれれば。アジア杯に向けては優勝を目指して今大会に臨む。これまでも2026年のW杯、このアジア杯というところを、長期の目標、そして短期中期の目標としてきた。多くのサポーターの皆さんとともに、テレビやメディアを通して応援してくださる全国の日本の方々と、日本人の誇りと喜びを分かち合いながら、一戦一戦戦って優勝のタイトルを勝ち取れればと思う。応援してくださっているサポーターの皆さんには、応援と共闘をお願いできればと思う」

──三笘薫の怪我はどのような見通しか。
「大会の初戦で起用できるかどうかはまだわからないが、怪我の回復は順調に来ている。大会期間中の早い段階で起用できると、代表メディカルがクラブメディカルと連絡を取って起用できるという見通しのもとで招集した」

──今日の試合に招集されていない欧州組もいるが、アジア杯の最初から最後まで帯同できるか。
山本ND
「FIFAのルールで大陸のチャンピオンを決める大会はIW(インターナショナルマッチウィーク)と同じ扱いになる。大会開幕の数日前から決勝までの期間はクラブからするとリリース義務が発生するので、決勝までとクラブと共有している」

──ターンオーバーは事前に考えて運用するのか。
森保監督
「ターンオーバーのプランを持って大会に臨むということを持ちながら、その都度、チーム状況や選手のコンディション等々も違うので判断していきたい。カタールW杯のときもプランはあったが、事前にプランしたことを現状を考えずに実行したわけではなく、最大11人変えながら戦うというターンオーバーを考えながら人数を絞っていった。今回もコンディション等々を考えながら戦っていきたい」

──田中碧鎌田大地ら常連組が招集外。また渡辺剛の招集理由は何か。
「招集できる条件のなかでベストということで、このグループを作らせていただいている。詳しくは話せないが、置かれている状況はいろいろ状況がある。グループ全体を見たときに招集していない選手はほかにもたくさんいる。チーム編成するにあたって、いろいろな条件のなかで選んだとご理解していただければ。渡辺の招集は、今回の元日の試合も活動からすれば、クラブ側からすれば招集義務がないところを、クラブの皆さんにご理解していただいて活動している。いろいろな条件のなかで招集できなかったというところがある」

──W杯も経験した上での2度目のアジア杯。監督自身の展望は。
「2019年アジア杯も経験して、カタールW杯まで仕事させていただいて、経験が生かせるところもある。私自身根幹は変わっていないが、チームマネジメントの部分では変わっている。選手に対しての一試合一試合のアプローチ、まずはコンセプトをより発揮できるように、ということの落とし込みと、対戦相手の情報から傾向と対策の部分、選手へのアプローチは、練習そしてミーティング等々もいろんなことを経験したなかで、選手への伝え方は、私だけではなくてコーチングスタッフやチームスタッフも、クオリティは上がっている。ただし簡単に勝てる相手ではなく、簡単に勝てる大会ではない。前回も今回も変わらず、これまで通り一戦一戦で最善の準備をして、我々の持っているものをぶつける。変わっているところは、前回優勝できなかった悔しさは残っている。悔しさだけではなくて高い目標を掲げている中、世界で勝つために、悔しさと高い目標を持っている中での成長するための志を持って戦っていきたい」

──前線の人数が多い理由はあるか。
「指摘されるまでバランス良くチーム編成できていると思っていた。だが、前線の人数が多いと気付いた。表記がMFとFWになっているため前線が多くなっているかもしれない。数年前と今回のレギュレーションで、23人の枠だとバランス良くと考えられたかもしれない。だがプラス3枠となり、より攻撃的な特長を持った選手を増やせた」

──22歳となった久保建英に期待することはあるか。
「一言で言えば、チームを勝たせられる存在感を放ってほしい。結果を出してほしい。いま彼はレアル・ソシエダでCLの舞台でもプレーしている。国内スペインリーグでもチームの中心、攻撃の核としてけん引している存在。普段やっていることを代表でも、チームのために発揮することを期待したい。18歳のときの久保といまの久保は力が違う。今回、彼自身も楽しみにしている大会だと思う。思い切ってプレーしてほしい」

──今日の試合後に最終決定のミーティングをした。事前のメンバーと違いはあったか。
「海外組の選手は、2週間前にレターを出さないといけない。だいたいの選手が決まっているなかで数人は招集するかしないか、クラブ側をお待たせしていた。スタッフミーティングで、今日の試合を終えてどうするか確認して最終決定し、(クラブ側に)お知らせした」

──W杯メンバーから半分が変わった。何か感じるところはあるか。
「ご指摘いただくまでは、カタールW杯からそれだけ多くの選手が入れ替わっていることはまったく気づいていなかった。日本のサッカーの全体的なレベルという観点でいうと、より多くの選手が高いレベルでプレーしている。し烈な競争のなかで、われわれにとっても候補からこのメンバーを決めるという作業のなかでも、非常に高いレベルの選手選考をしているということが言える。たくさんの日本人選手が世界で戦えるだけの力をつけていることが、入れ替わりの数に現れている。できるだけニュートラルに見て、選手の招集、チーム編成をするところで、これだけのいい選手が出てきていると言える。アジア杯が1月から2月10日まで行われるが、3月以降に大会があった場合にチーム編成をしたら、W杯メンバーが戻ってくるかもしれないし、新たなメンバーが入ってくるかもしれない。それくらい固定したメンバーではなくて、より高いレベルのメンバーになっている」

──初戦ベトナム代表はフィリップ・トルシエ監督が率いる。
山本ND
「(トルシエ監督は)U-19ベトナムも見ていたので、われわれのU-19同士で予選で戦ったときに引き分けでお互いが上に上がれた。日本のことはよくご存じで、いろんな戦いをしてくると思っている。会ったらしっかりご挨拶はしたい」

「別の話だが、トレーニングパートナー5名をU-19代表の中心選手から選び、一緒にトレーニングさせる。日本の未来を考えたもので、いま活躍している多くがこういうところから一気に伸びた。たとえば三笘、菅原(由勢)、過去にトレーニングパートナーとして成長してきた。あとひとつ、分析担当はIWが2試合なので3人でやっている。大会が長いことと、チーム数が24チームなので、そこに視察に行くスタッフとしてU-19のコーチングスタッフ、またはアンダー世代のテクニカルスタッフなどを加える。さらに24チーム、3位が上がってくるので、ほぼ24チームを分析しないと、決勝トーナメントに入ってから現場のアナリストに負担がかかる。そこを軽減する意味で、日本のなかで基地を設ける。サポートするスタッフを24、5人。大学院生が多い。W杯予選から決勝の2026年まで、決勝から逆算していくと、決勝トーナメントの分析力は重大。テストができるチャンスはアジア杯しかない。ほかの大会は予選は2試合ずつなので必要性もまったくない。そこで現場を鍛えていきたいということで分析チームを立ち上げた。いろんな課題も出てくるが、すべてW杯本番からの逆算。このふたつが今回のトライになる」

森保監督
「トルシエ監督は日本サッカーも熟知している。これまでのベトナム代表のコアな選手と若い選手を融合させて強いチームを作っている。日本代表で監督をやられたときとは違った戦術にもトライしていて難しい戦いになる。今日の対戦も5-0だったが、日本のことを研究してきていて、途中までは難しい戦いを強いられた。日本代表の戦い方を知っておられる監督と戦うのは難しい戦い。ただ、すべての戦いが難しいもの。相手の対策を乗り越えて勝利を収められるようにしっかり準備していきたい。日本代表監督としては先輩なのでリスペクトもある。対戦を楽しみにしたい」

(取材・文 石川祐介)

●AFCアジアカップ2023特集
石川祐介
Text by 石川祐介

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