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カタールW杯で回避したPKキッカーに名乗り出る伊東純也「次は蹴ろうと思っているので」

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日本代表MF伊東純也(スタッド・ランス)

 日本代表MF伊東純也(スタッド・ランス)が26日、報道陣の取材に応じ、グループリーグ最終節から中6日で迎える決勝トーナメント1回戦バーレーン戦(31日)に向けて「しっかり準備して戦いたい」と意気込みを語った。

 チームがオフを取っていた25日のE組の結果により、日本の決勝トーナメント初戦の対戦相手は首位のバーレーンに決定。日本と同じく優勝候補と目されている韓国がマレーシアに勝っていれば、ラウンド16で日韓戦が実現する可能性もあったため、伊東はチームメート数人で韓国戦の動向を見ていたという。

「韓国が上がってくると思っていたので、韓国の試合をしっかり見て、次に活かせればと思っていました」。そんな韓国は苦戦しながらも一時逆転に持ち込み、首位通過に大きく近づいていたが、長引いた後半アディショナルタイム15分に同点被弾。伊東は「最後までサッカーはわからないと感じた」と振り返った。

 守備ブロックを組んでくるバーレーンが相手となると、攻めあぐねる時間が続いたグループリーグの経験は活かせそうだ。「コンビネーションが必要になってくると思うし、2列目からの飛び出し、クロスで合わせていくのが大事」。自身が先発した初戦と第2戦の課題を踏まえ、周りのポジションの選手とのコミュニケーションを続けてきた自負はある。

 また伊東自身、インドネシア戦では後半41分から途中出場し、わずか2分後に鋭い突破からFW上田綺世へのクロスを配球。「入ってすぐとりあえず前に行こうと思っていた。マイクが持った瞬間に裏に出してと言って、裏に走って、それがゴールになったのでよかった」。相手に当たった上田のシュートはオウンゴールと判定され、アシストはつかなかったが、ようやく武器が結果につながった手応えは残った。

 さらに伊東は決勝トーナメントに臨むにあたり、同点の場合に行われるPK戦にも気持ちを向けていた。

 報道陣からPK戦は得意かと問われた伊東は「普通ですね」とサラリと口にしつつも、「でも次は蹴ろうと思っているので」と宣言。一昨年末のカタールW杯決勝トーナメント1回戦ではクロアチアを相手に120分間フル出場した後、足の状態を踏まえてPKキッカーを回避していたが、1年越しにキッカーを志願した形だ。

「あの時はちょっと足を肉離れをしていたので個人的に蹴るのをやめておいた。あと、もともと得意じゃないと思っていたので。でもいまはチーム(スタッド・ランス)でも蹴れるポジションまで来ているので、そういうところで自信を持って蹴れれば」

 そんな伊東は昨年9月のトルコ戦で試合中のPKを成功。また全体練習後に不定期で行われているPK練習でも、キックのコースやテンポを試行しながら質の高いキックを蹴り込んでいる様子が見られる。

「いろんなところに自信を持って蹴れるように練習してきたし、GKを見るやり方もちょっと試したり、どっちがいいかなというのを考えながらやれれば」(伊東)。同じカタールの地で大きな悔しさを味わった日から1年余り、一発勝負に勝つため積み上げてきた成果も見せていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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