beacon

「ラインの上げ方が一人だけ早い」毎熊晟矢が隣でプレーして感じた冨安健洋の“違い”と“基準”

このエントリーをはてなブックマークに追加

日本代表DF毎熊晟矢

 手応えをつかみつつも満足はしていない。24日のインドネシア戦(○3-1)で今大会初先発となった日本代表DF毎熊晟矢(C大阪)は「一度敗戦したあとに大事なミーティングをして、チームとして強固になってインドネシア戦に臨めた」と指摘。19日のイラク戦(●1-2)から先発8人を入れ替えての勝利に「新たな選手が出て勝てたのは、チームとしても一つ自信になった」と振り返った。

 右サイドでMF堂安律、MF久保建英と好連係も見せた毎熊は「堂安選手、久保選手とより近い位置で2人の良さを出すために考えてポジション取りした」と明かし、「スムーズにできていたけど、映像を見返して立ち位置を変えた方がいいなと思う場面もあった。もっともっと良くなると思う」と貪欲だ。

 DF菅原由勢とのポジション争いについても意欲的で、「初めてのスタメンで一つ勝利に貢献できたことは自信になったけど、目に見える結果は残せていない。そこは今後残していきたい」と、ゴールやアシストなど得点に直結するプレーを誓った。

 ラインの高さやコンパクトさなど、これまでの課題にも改善が見えたインドネシア戦について「センターバック中心に声をかけ合ってコンパクトにはできたと思う」と毎熊。最終ラインは右から毎熊、DF冨安健洋、DF町田浩樹、DF中山雄太と並んだが、冨安の存在感、リーダーシップには目を見張るものがあった。

 隣でプレーした毎熊は「声もそうだけど、彼は声を出さなくてもラインの上げ方が一人だけ早い」と指摘。「それに合わせて(周りが)上げればよりコンパクトになるし、彼がこちらに合わせるのではなく、(周りが)同じタイミングで上げないといけない。周りの選手がもっとやらないといけない」。冨安に引っ張れるように最終ライン全体を押し上げることにもつながっているという。

 インドネシア戦をスタンドから見守ったDF板倉滉も冨安について「存在感というのは外から見ていてもあった。チーム全体の基準を上げていると思う」と、同じセンターバックとしても刺激を受けている。「ポジショニングや予測を含めて、あれだけフィジカルのある選手がやっている。ポジショニング一つひとつをサボらずにやる大事さを表現してくれていたと思うし、チーム全体で吸収しないといけない」。冨安の“基準”にチームとして追いつくことがさらなるレベルアップにつながるのは間違いない。

(取材・文 西山紘平)

●AFCアジアカップ2023特集
西山紘平
Text by 西山紘平

TOP