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久保、上田との揃い踏みに堂安律「僕が取るとチームが乗る」

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日本代表MF堂安律(フライブルク)

[1.31 アジア杯決勝T1回戦 日本 3-1 バーレーン アルトゥママ]

 日本の10番がついに結果を出した。日本代表MF堂安律(フライブルク)は前半31分、DF毎熊晟矢(C大阪)のミドルシュートが左ポストに弾かれると、こぼれ球に抜け目なく反応。最後の最後まで相手DFとの駆け引きを続け、チームをベスト8に導く大事な先制弾を決めた。

 複数の選択肢を持ちながら、流れるような判断でゴールを陥れた。「スルーパスというか(相手と)入れ替わる感じで足元にもらおうと思ってふくらんだけど、(毎熊が)シュートを打つ素振りを見せたので受けるより前に入ろうと。相手よりもちょっと先に動き出せたので、先に触ってPKをもらおうと思って出たけど、相手がPKを避けて完全に止まったのでそのまま打った」。鋭い出足でも、ポジショニングでも、駆け引きでも見事に相手を出し抜いた。

 今大会の1、2戦目は途中出場だったが、大きくメンバーを入れ替えた3戦目のインドネシア戦から先発に定着。球際のバトルや攻守の切り替えで存在感を放ち、屈辱の敗戦を喫したチームを立て直した。インドネシア戦では決定機を外したことで「あれが決勝なら後悔している」と反省も。だが、大事な一発勝負で値千金の先制弾を沈め、2ゴールを決めたW杯に続いて役者っぷりを見せつけた。

 試合後には報道陣から「10番が取るとチームが乗る」という声が上がると、「チームメートも背番号を気にしていないのでどうでもいいと思うけど、10番が取るというより僕が取ると(チームが)乗ると思う」とニヤリ。同じ東京五輪世代のMF久保建英、FW上田綺世がゴールを決めたことに触れ、「チームメートにも僕が得点を取りたいというのがバレているし、みんなが喜んでくれている。タケも綺世も取るべき選手が取らないと勝てない」と力強い言葉を続けた。

 試合全体のパフォーマンスは「あまり違いを出せなかった」と振り返り、この日の出来を「最低限の仕事」と表現するなど満足はしていない。また「ゼロだったら完璧なゲームだった」と痛い失点をしたチームを引き締めることも忘れなかった。自身のゴールが生まれても目標までは道半ば。「もちろんゴールは目指しているけど、それよりも優勝したい。自分のゴールはあと」。チームのために輝く10番は歩みを止めない。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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