日本代表からMF伊東純也(スタッド・ランス)の離脱が決定した。2日に都内のJFAハウスで行われたメディア対応で、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は、昨夜に伊東と話したことを明かす。「自分はやりたい」と伊東は話していたというが、「お騒がせしていることをトータルに、総合的に判断した」と離脱の理由を明かした。

　アジアカップに参加していた日本代表メンバーの伊東は1日午後に離脱が発表された。JFAのリリースでは、伊東の性加害疑惑を伝えた週刊誌報道を受けて「本人の心身のコンディションを考慮した」と伝えていた。しかしその半日後に一転。JFAの山本昌邦ナショナルチームダイレクターがカタール・ドーハで報道陣の取材に応じ、「残す方向で改めて調整するということになった」と説明していた。

　そのひとつの理由となったのが選手たちから挙がった伊東の残留を希望する声だった。田嶋会長も「選手たちの熱い思い、継続して戦いたいという気持ちがあったと聞いている」と語る。そのうえで改めて再考した。「しっかりとした情報を集めて議論をしていきたいと昨晩は一時的に延期をした。本日改めて検討することとした」ときょうの結論までの流れを説明する。

「現在の状況を考えると、チームを取り巻く環境が騒がしいことが続くと想定される。サッカーに集中できる環境をJFAとしてしっかり作る必要がある。伊東選手のコンディションを含めて考えたうえで、JFAとして総合的に判断をした」

　スポンサーや一般企業への配慮もあったという。「(企業からの声は)まったくゼロではありません。お互いからいろんな疑いや情報が出ている。それも考慮し、パートナーの皆さんにも配慮したことも事実」と強調した。

　離脱を一時撤回した昨晩、田嶋会長は伊東と連絡を取った。「本人も仲間たちからのサポートを受けたうえで、しっかりと調整したいという気持ちを持っていた。そこでしっかり自分はやりたいと言ってくれたのはたしか。仲間たちの強い思いもあった。自分もそこに入っていけると聞いた」。その気持ちは受け取り、改めて再考の時間を設けた。しかし今後の影響を鑑みて、改めて伊東の離脱が最終結論。田嶋会長は森保一監督や伊東と話し、両者から納得してもらったことを明かしている。

　日本代表は3日の準々決勝でイラン代表と対戦する。田嶋会長は「こういうことがあっても、困難なときを乗り越えていけるようなチームであってほしい」と力を込めた。

(取材・文　石川祐介)

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