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[五輪最終予選]ゴール量産期待!!原口が5か月ぶり五輪代表復帰

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 シリア戦に敗れ、背水の陣を構えることになった関塚ジャパンに、ゴールこそ我が命と燃える原口元気(浦和)が戻ってきた。昨年9月21日の最終予選初戦・マレーシア戦以来、4試合ぶりの復帰。昨年10月以降はA代表に招集され続け、また、1月のグアムキャンプにも招集されなかったため、U-23日本代表への合流も5か月ぶりだ。

 11日に鹿児島県指宿市で行われた浦和対FCソウルの練習試合を視察した関塚隆監督は「今の段階で90分プレーしてくれた。いいコンディションだと感じた。原口の良さは中盤でしっかりとボールを引き出すことと、突破へのパスや、自分で切り開いていくこと」と期待を寄せた。

 アルベルト・ザッケローニ監督のお眼鏡にかない、昨年秋以降はA代表に招集されるようになった原口だが、ロンドン五輪に対する思いは強い。シリア戦から帰国した山田直輝が浦和の練習に初合流した7日には、山田に「なんで負けたんだよ」と独特の毒を吐きつつ、敗戦と、自分がそこにいられなかった悔しさをにじませていた。山田は「あいつは口に出さないけど、俺のゴールで勝利に貢献したいという気持ちでいるはず。あいつはそういうヤツ」と、原口の心を代弁していた。

 もやもやした気持ちをぶつけるにはうってつけの状況だ。日本はシリアに敗れたことでグループ2位に後退したが、勝ち点と得失点差では1位のシリアと並んでいる。仮にこのまま日本とシリアが残り2試合を全勝した場合、シリアを抜いてグループ1位になるためには、得失点差で上回ることが必要。そのためにも、次のマレーシア戦では大量得点が必要になってくる。

 チームプレーを最優先しながらも、常に「ボールを持ったら全部仕掛けるくらいでいきたい。まだまだ物足りない」と話している原口にとって、その力を最大限に発揮することが求められるのがマレーシア戦なのだ。

 シリア戦では左サイドハーフで先発出場した山崎亮平(磐田)が試合中に左腕を骨折する悲劇に見舞われた。トップ下で先発した浦和のチームメイトである山田も、帰国後に右臀部を痛めて招集を見送られている。最も得意とする左サイドからのカットインでマレーシアを切り崩し、ゴールを奪う。悔しい思いをしているチームメイトのために。そして何より、悔しい思いをしてきた自分のために。原口の右足が、関塚ジャパンを5大会連続の五輪出場へと導く。

(取材・文 矢内由美子)

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