beacon

長谷部「慢心していたわけではないが…」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[2.29 W杯アジア3次予選 日本0-1ウズベキスタン 豊田ス]

 試合終了の笛をかき消すブーイングはザックジャパン初だった。W杯アジア3次予選連敗フィニッシュ、ホームで無得点負け、ウズベキスタンに初黒星でグループ2位…。

 最悪の結果に主将の長谷部誠(ヴォルフスブルク)は「慢心していたわけではないが、アジアは甘くないというのをもう一度突きつけられた。負けたことは結果として受け止めなければならない」と唇を噛んだ。「圧倒的な力を見せて勝ち抜きたい」と話していたのも、「全然達成できなかった」と素直に認めるしかなかった。

 ブンデスリーガ3戦連発の好調をひっさげて合流した岡崎慎司(シュツットガルト)も肩を落とした。昨年9月のアウェーでのウズベキスタン戦では1点を追う後半20分に同点弾を叩き込み、勝ち点1を手に入れた殊勲者も、この日はノーゴール。「ブンデスと違うのは日本を背負って立つということ。その厳しさを改めて感じた。一つひとつの気の緩みが負けにつながる。今までの代表選手もそういうものを感じてやっていたのではないか」と、W杯予選の重みを噛み締めた。

ハーフナー・マイク(フィテッセ)は「試合後は誰もしゃべらなかった」と言った。

 最終予選進出を決めたタジキスタン戦後に連敗を喫したという事実が締まりのなさを一層際立たせているが、救いがあるとすれば、受けた傷は致命的なものではなく、今後のケア次第でリカバーできるものであること。「最終予選に向けて、厳しい雰囲気を作っていきたいという気持ちは?」と聞かれた長谷部は「この結果を受け止めて、自然とそういう気持ちが出てこないといけない」と戒めた。

 ザックジャパンの次の集合は6月にあるアジア最終予選だ。「負けて良かったとは言わないが、とにかくこれを最終予選につなげていくだけ」と長谷部は言う。厳しさの増すアジアの陣で、今度はもう、甘い姿を見せることはできない。

(取材・文 矢内由美子)

▼関連リンク
ブラジルW杯アジア3次予選特集

TOP