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ホームでのW杯予選黒星は97年以来…最終予選のシードに影響も

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[2.29 W杯アジア3次予選 日本0-1ウズベキスタン 豊田ス]

 ザックジャパンがホームで初黒星を喫した。昨年11月15日に平壌で行われた北朝鮮戦(0-1)に続いてW杯アジア3次予選2連敗。W杯アジア予選で日本がホームで負けたのは、加茂周元監督時代の97年9月28日のフランスW杯アジア最終予選・韓国戦(1-2)以来、約14年半ぶり。4万2720人が押し寄せたスタンドからは試合後、ブーイングも飛んだ。

 主力5選手が出場停止だったウズベキスタンに初黒星。「90分を見て、この結果は正当な結果ではないと思う」と悔しさをのぞかせたアルベルト・ザッケローニ監督だが、「もう少しできたと思うが、残念だった。負けたときは相手への称賛を惜しむべきではない。ウズベキスタンに主力がいないのは分かっていたが、非常にいいチームだなという印象を受けた」と敗戦を受け止めた。

 国内組がプレシーズンの時期に行われた一戦に海外組12人を招集し、8人を先発させたが、直前に帰国する強行日程の中、全体的に低調なパフォーマンスに終わった。「我々がフィジカルのところでいい状態でいられないのは分かっていたが、国内組は90分間走れる状態ではなかった。海外組は前日か前々日にしか来られない状況だった。ウズベキスタンは早く集まって、韓国で親善試合もやってから日本に来た。そういう意味で、この試合に向けた準備がよくできていたのではないかと思う」と、コンディション、準備期間の差を嘆いた。

 とはいえ、こうした状況は今後も続く。6月に開幕するW杯アジア最終予選は6月3日と8日にホーム、12日にアウェーと3連戦でスタートするが、その後は9月11日にホームで1試合、11月14日にアウェーで1試合と細切れになる。「今後も付き合っていかないといけない問題だと思う」と話す指揮官だが、「次は国内組のコンディションがもう少しよくなっていると思う」と話す以外に明確な打開策は打ち出せなかった。

「うちの良さはゴール前でのコンビネーションを使った攻撃」と話すとおり、細かくパスをつないでチャンスをつくるシーンもあったが、守備を固める相手を崩し切ることはできず、シュートは前半5本、後半1本の計6本だけ。「バイタルのところで前を向いたときに、ゴールまでもう少し迫力を持って向かわないといけない。あとはミドルシュートの意識も少し足りなかった。常に相手がPA内にいたわけだから、外から打つ意識があってよかった」と指摘した。

 この日の敗戦は、6月に始まるW杯アジア最終予選にも影響する可能性がある。2月15日に発表された最新のFIFAランキングで日本は30位。22位のオーストラリアに次いでアジア2位だが、アジア3位の韓国は34位に付けており、今回の結果で逆転される可能性がある。

 10チームが5チームずつ2組に分かれるアジア最終予選の組み合わせ抽選会は3月9日に行われるが、そのシードは3月7日発表予定のFIFAランキングが採用される。もし日本が韓国に抜かれれば、第1シードがオーストラリア、第2シードが韓国となり、両国は同組にはならないが、アジア3位の日本はオーストラリア、韓国のいずれかと必ず同組になる。

(取材・文 西山紘平)

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