[5.27 J2第16節 湘南0-0徳島 BMWス]

　J2は27日、第16節を各地で行い、4位の湘南ベルマーレはホームに16位の徳島ヴォルティスを迎えて試合を行った。前半22分にPKを得た湘南だが、DF遠藤航のシュートをGKオ・スンフンに防がれる。スコアレスで後半に入ると、14分にはDF大野和成が、この試合2度目の警告を受けて退場となる。数的優位を得た徳島が、それ以降は優勢に試合を進めたが、結局、得点は挙げられないまま、0-0で試合を終えた。

　開幕から9戦無敗と好調だった湘南だが、第10節で水戸に初黒星(1-2)を喫すると、続く愛媛戦(1-2)も敗れて連敗。第12節から第15節までは1-1でドローと6試合連続で勝利から見放されている。対する徳島も前節で鳥取に3-0で勝利したが、第3節から第11節まで2分7敗と9試合勝利がないなど苦しいシーズンを送っている。ともに浮上のきっかけにしたい一戦を迎えた。

　湘南の布陣は3-4-3。最終ラインは右から島村毅、遠藤航、大野和成。中盤は右から古林将太、ハン・グギョン、坂本紘司、鎌田翔雅。3トップは右に菊池大介、中央に馬場賢治、左に古橋達弥が入った。対する徳島は4-4-2を採用。最終ラインは右から西嶋弘之、橋内優也、三木隆司、那須川将大。ドイス・ボランチは宮崎光平と花井聖が務め、右サイドに上里一将、左に衛藤裕。2トップはドウグラスと津田知宏が入っている。

　前半9分に最初のチャンスをつくったのは、湘南だった。徳島の最終ラインにプレスをかけてミスを誘発すると、MFハン・グギョンの縦パスをFW菊池大介が落し、最後はMF坂本紘司がゴールを狙ったが、シュートは枠を捉えられなかった。12分にも細かくパスをつなぐ湘南は、PA外から古橋がゴールを狙ったが、シュートはGK阿部伸行にキャッチされてしまった。同13分には徳島も、左からMF衛藤裕が挙げたクロスをDFがクリアーしたこぼれ球を拾ったMF上里一将が、PA外からゴールを狙ったが、シュートはゴール右に外れて行った。

　前半22分には湘南に千載一遇のチャンスが訪れる。右サイドを突破した菊池がPA内でDF那須川将大に倒されてPKを獲得。DF遠藤航がキッカーを務めたが、ゴール左に蹴ったボールはGKオ・スンフンに弾かれる。こぼれ球にも徳島DFが素早く反応してクリアーされ、絶好のチャンスを逃した。

　対する徳島は最終ラインでボールを回しても、パスを出しタイミングで前線の動き出しがなく、逆に前線が動いたときには最終ラインから前にパスが出ず、ボールを前に運べない。それでも32分にCKを得ると花井の蹴ったボールは直接、ゴールマウスに飛んだ。しかしGK阿部がパンチングで弾き、先制点を許さない。同39分にも徳島は右サイドからFW津田知宏が突破する。折り返しをFWドウグラスが狙ったが、シュートをミートできずに決定機を逃してしまった。

　前半42分、湘南は右足首を痛めた遠藤に代えて、DF山口貴弘を入れる。45分には振る橋が蹴ったFKがゴール前の混戦を抜けて、そのままゴールに入りそうになるが、ボールは左に外れた。徳島もロスタイムにはDFのクリアーしたボールを衛藤がボレーシュートで狙ったが、ボールはゴール右に飛ぶ。結局、ゴールは生まれないまま0-0で前半の45分を終えた。

　後半の立ち上がりは、徳島が湘南を押し込む時間が続く。後半2分に津田のクロスにドウグラスが飛び込んだのを皮切りに、同8分にも衛藤がPA外からシュートを放つ。同11分にも右サイドのクロスをゴール前でドウグラスがヘッド。流れたボールをボレーで衛藤が合わせたが、シュートは大きく枠を外れて行った。

　主導権を握られた湘南も同13分には古橋を中心としたパスワークで徳島ゴールに迫る。最後は古橋がシュートをしたが、シュートは左に外れて行った。その湘南にアクシデントが起こる。ドリブル突破を仕掛けたドウグラスを大野が倒してしまい、2度目の警告を受けて退場となる。残り約30分を湘南は10人で戦うことになった。

　同17分に湘南は、菊池を下げてMF猪狩佑貴をピッチに送る。同20分にも湘南は最終ラインをドウグラスに突破されると、飛び出したGK阿部がファウルで止めて、警告を受ける。数的優位を得た徳島は後半22分、MF宮崎光平を下げてMF太田圭輔をピッチに入れる。

　速攻のチャンスを狙う湘南は同24分に古橋の縦パスをFW馬場賢治が受けて、ドリブルを仕掛ける。DF2人に囲まれながらも、ゴール前までボールを運んだ馬場だったが、シュートはブロックされた。

　同26分に徳島は花井を下げて、MF斉藤大介を起用する。その3分後、湘南のカウンターを阻止して、逆にカウンターを仕掛けた徳島は左サイドから斉藤の入れたクロスにファーサイドで津田が合わせる。決定的チャンスだったが、津田のヘッドはゴール右に外れて行った。その後も湘南を押し込む徳島は右サイドから太田がクロスを入れたが、2トップには合わず。同31分には右サイドを津田が突破し、ゴール中央に折り返す。ピンポイントでドウグラスが合わせたが、シュートは上へ外れた。同33分にも右サイドを太田が突破し、ゴール前にクロスを入れる。ドウグラスがヘッドで合わせたが、これはオフサイドを取られた。

　その後も、湘南を押し込む徳島は両サイドからクロスを放り込むが、体を張った湘南の守備を崩せない。同38分には湘南がサイドのカードを使う。MF坂本を下げてMF中村祐也を送り出す。押し込まれ続けていた湘南だが、この交代直後には馬場が遠目からシュートを狙ったが、ボールはゴールマウスを捉えられない。同39分には徳島も最後のカードを使う。津田を下げて188㎝のFWキム・ジョンミンをゴール前に置いた。

　後半45分には、スローインの流れから、ドウグラスからのパスを受けた太田が右サイドを抜け出して、ゴール前に低いクロスを入れる。中央にキム・ジョンミンは合わせることができず、GKと交錯してしまう。5分間のロスタイムでも徳島はDF西嶋弘之、太田らがゴールを狙ったが、得点を挙げることはできず。0-0のままタイムアップのホイッスルを聞いた。

(取材・文　河合拓)