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出場停止明けDF増嶋の得点で柏がF東京に競り勝つ

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[6.27 J1第9節 F東京 0-1 柏 国立]

 Jリーグは23日、AFCチャンピオンズリーグに参加していたため延期となっていた第9節の2試合を行った。5位のFC東京は11位の柏レイソルを国立競技場に迎えている。今シーズンの富士ゼロックス・スーパー杯でも激突した両チームは、立ち上がりから積極的な守備を見せ、互いにチャンスをつくらせない。前半終了間際にDF増嶋竜也のゴールで柏が先制する。後半に入っても安定した守備を見せた柏が、F東京にほとんどシュートを打たせずにタイムアップ。1-0で勝利した柏は勝ち点を24に伸ばし、F東京との差を勝ち点1に詰めている。

 F東京は、4日前に行われたC大阪戦で負傷したMF梶山陽平が欠場。その試合で途中出場したMF米本拓司がスタメン出場を果たしている。一方の柏も4日前の鹿島戦(1-1)では累積警告のため出場停止だった増嶋が最終ラインに戻り、2トップの一角を務めたFW田中順也に代わり、FW澤昌克がスタメンに名を連ねた。

 序盤はF東京陣内にボールを運んでいた柏が、立て続けにセットプレーのチャンスを得る。しかし、CK、FKともに決定機にはつなげられなかった。前半20分にはF東京の米本がボールを持って前線へ攻め上がり、左のMF田邉草民にパスを出す。田邉が中央へ折り返したが、FWルーカスには合わず。すると、このボールを逆サイドで回収したMFジョルジ・ワグネルを起点に、柏がカウンターに出る。右サイドのMFレアンドロ・ドミンゲスがクロスを上げたが、ゴール前のFW工藤壮人には合わず、DFにボールをクリアーされた。

 前半21分にはF東京もMF谷澤達也がPA外からシュートを狙ったが、ボールはゴール左に外れて行く。同25分にはルーカスがゴール正面、約30mの位置で倒されてFKを獲得する。DF森重真人がゴールを狙ったが、ボールはわずかに左へ外れた。徐々に試合の主導権を握ったF東京は28分にも右サイドを突破した谷澤がゴール前に折り返す。中央で田邉がシュートを狙ったが、ボールに合わせることができなかった。

 29分にもF東京は敵陣深くでDF近藤直也に奪われたボールをルーカスが奪い返し、ショートカウンターに出る。ゴール前に折り返したボールに、MF長谷川アーリアジャスールがダイレクトで合わせたが、DF増嶋竜也にブロックされて得点にはならなかった。36分にはオーバーラップしたDF徳永悠平が中に切り込み、左足でシュートを狙ったが、ボールは左に外れて行った。

 37分には柏も決定機をつくる。レアンドロ・ドミンゲスが工藤とのワンツーから前線にスルーパスを出すと、これを受けたジョルジ・ワグネルがシュート。しかし、シュートを右に外し、チャンスを逃してしまう。その後も互いに高い位置で相手からボールを奪うショートカウンターからゴールを狙ったが、得点にはつながらない。このまま前半が終わるかと思われたロスタイム、柏がジョルジ・ワグネルのFKから近藤がシュートを放つ。これをGK権田修一が弾いたが、そこに増嶋が詰めてゴールネットを揺らし、1-0と柏がリードして前半を折り返した。

 後半開始早々、1点ビハインドのF東京はPA内に田邉が侵入、一度は抜いた増嶋に倒されたが、村上伸次主審は、ファウルを認めずにプレーを流した。後半8分には柏がCKから近藤がゴールネットを揺らしたが、直前の競り合いでファウルがあったとされ、得点は認められなかった。

 後半11分にはレアンドロ・ドミンゲスが相手のパスをカットし、右サイドをオーバーラップしたDF酒井宏樹にパス。酒井のクロスはDFにクリアーされるが、そのボールを拾ったレアンドロ・ドミンゲスがシュート。しかし、ボールは左へ外れて行った。

 後半15分には長谷川が左サイドに展開したボールをDF椋原健太が折り返す。ゴール前でルーカスが合わせようとしたが、柏DFが体を張った守備でシュートを打たせなかった。後半17分にはセットプレーを得たF東京は、森重、ルーカスとパスをつなぎ、壁の背後でフリーになっていた田邉がダイレクトでシュートを放つ。しかし、ボールを枠に飛ばすことができず、決定機を逸してしまう。同23分には再びCKから柏がチャンスを迎える。しかし、ファーサイドに抜けたボールに詰めていた工藤が合わせきれずに、ボールはそのままラインを割った。

 同点に追いつきたいF東京は27分に選手を田邉、谷澤を下げて、FW渡邉千真、MF河野広貴を同時にピッチへ送り出した。後半32分には左サイドからのFKを河野が蹴り、ゴール前で長谷川が合わせたが、シュートは左サイドネットに外れる。対する柏も34分、FKを近藤が合わせたがゴールマウスを捉えられずに、追加点を挙げられない。

 同35分には渡邉が力強い突破からシュートを放ったが、ボールはゴール上に外れて行く。36分に柏は澤を下げて、FW茨田陽生を起用する。39分のも柏は工藤を下げてFW田中順也をピッチに送り出した。守備が噛み合い、F東京にチャンスらしいチャンスをつくらせない柏は、43分にMF大谷秀和がPA外から強烈なミドルシュートでゴールを狙ったが、このシュートはGK権田の正面を突く。後半47分にもPA内でレアンドロ・ドミンゲスが田中とワンツーをし、クロスを折り返したが、詰めている選手がなくボールは逆サイドへ渡った。

 ロスタイム2分にF東京は長谷川を下げてMF幸野志有人を投入したが、打開策とはならず。試合は0-1のまま終了し、富士ゼロックス・スーパー杯の借りを返したかったF東京だが、再び柏に敗れた。一方、前節の鹿島戦まで4連勝を挙げていた柏は、6試合負けなし。順位も7位まで浮上している。

(取材・文 河合拓)

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