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J2上位対決は甲府が勝って2位に浮上、千葉は3位に後退

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[7.22 J2第25節 千葉0-1甲府 フクアリ]

「昇格という目標を考えたら、今日の試合は本当に大切だった」

 ヴァンフォーレ甲府城福浩監督は勝利の瞬間、ベンチ前で右手のこぶしを握りしめて派手なガッツポーズを見せた。首位に立つジェフユナイテッド千葉との上位対決。前回の対戦では0-2で負けていただけに、「同じ相手に2度負けるようでは昇格は難しい」と、どうしてもほしかった勝ち点3を手にした喜びを目に見える形で爆発させた。

 4-3-3システムでスタートした立ち上がりは、アンカーの横のスペースを千葉に使われ、決定機を作られた。ところが防戦となった時間帯をしのぎ、逆にカウンター攻撃を仕掛けた前半18分。J2得点王ランキングでトップに立つFWダヴィが見事な左足シュートを打って先制に成功すると、その後はしっかりブロックを作って千葉の攻撃を水際で封じた。

「千葉のカウンターはリーグで最も鋭い。今日はカウンターをされないことを考えた」と城福監督が振り返ったように、甲府のシュート数は90分間でわずか3本。15本のシュートを放った千葉を相手に無失点で勝利を収め、5位から2位に浮上した。

 後半8分には2年ぶりのJリーグ復帰となったフェルナンジーニョを投入して4-4-2にし、カウンター攻撃を狙いながらも、そのフェルナンジーニョにも守備の役割を負わせる徹底ぶりを見せた。かつて清水やG大阪、仙台でプレーしていた161センチの小柄な助っ人は、「シーズン途中から来た自分の力が必要になるときが絶対に来る。まだまだやれることを見せたい」と意気込む。

 3位に後退した千葉も、後半10分から新加入のリカルド・ロボを入れて反撃に出た。甲府の固い守りをこじあけることはできなかったが「体調はいい。あとはゴールを決めるだけ。今日はまだ最初のゲームだったので、次の試合ではもっとよくなっていくと思う」とこちらも前向きだ。

 得失点差も拮抗している超混戦のJ2。今後は新加入選手の活躍が昇格のカギを握っていきそうだ。

(取材・文 矢内由美子)

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