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チームメイトに昇格を託す湘南 DF遠藤「次に会うときは笑顔で」

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[10.21 J2第39節 湘南 1-1 千葉 BMWス]

 J2は21日に第39節を行い、湘南ベルマーレジェフユナイテッド千葉に1-1で引き分けた。前半28分にMF永木亮太のゴールで先制した湘南だったが、終盤に高さのあるFW藤田祥史、FWオーロイらを次々と投入した千葉のパワープレーから失点を喫し、同点に追い付かれた。

 試合を振り返って湘南のDF遠藤航は「良い時間帯に先制点が取れて、後半もカウンターからチャンスがあっただけに、追加点を取れなくて残念です。個人としても勝ち点3を取ることができなくて悔しい」と唇を噛んだ。

 13年U-20W杯の出場権を懸けたAFC U-19選手権UAE2012を戦うU-19日本代表に招集された遠藤は、J2の残り3試合に出場することができない。それだけに勝ち点3を置き土産にして、チームを離れたかったが、残念ながらそれはできなかった。

 それでも「代表に行っても、やることは変わらない。湘南で積み重ねてきたことを出すだけ」と言う19歳は、彼にとってリーグ戦、最後の試合となった千葉戦でも、自信を得ることができたと振り返る。Jリーグ最長の204センチの長身を誇るオーロイと渡り合うことができたからだ。

「昨年も対戦していましたが、あらためて『デカイな』と思いましたね。最初の1本で(同点ゴールを)やられてしまいましたが、それ以外は上手く対応できたと思います。まともに競り合ったら勝てないと思って、最初は競らないでセカンドボールを狙おうかとも思ったのですが、競ったら意外と勝てた。アジアにもあれだけ高さのある選手はいないと思うから、高さという点では自信を持って(U-19選手権に)臨めると思います」。

「このチームでJ1を戦いたい」と話す遠藤にとって、最後までシーズンを戦えない心残りはある。それでも、代表に気持ちを切り替えたいと語った。「今日の試合が終わってからも、(坂本)絋司さんが『あとは任せろよ』と声を掛けてくれました。その言葉を信じて代表に行ってきます。ここからは代表に気持ちを切り替えて、みんなにJ1昇格を決めてもらい、僕はW杯の出場権を持って帰ります。次にみんなと会うときは、みんな笑顔で会いたい」。

 試合後、ゴール裏のサポーターからは『湘南から世界へ 遠藤航』と書かれた横断幕が掲げられた。遠藤は「本当に嬉しかった」と、サポーターに感謝の言葉を口にしている。「代表に行くということで準備をしてくれて、感謝しています。その期待に応えられるように結果を出してきます。大事な時期にチームを離れてしまいますが、湘南ベルマーレの応援を引き続きよろしくお願いいたします」と、12番目の選手たちにも、想いを託した。

(取材・文 河合拓)

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