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1年で再びJFLへ…町田主将・勝又「みんなの力で上がっていけばいい」

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[11.11 J2第42節 町田0-3湘南 町田]

 試合終了後に行われた、FC町田ゼルビアホーム最終戦のセレモニー。最下位が決定した直後で、重苦しいムードがスタジアムを支配していた。キャプテンのFW勝又慶典は、雨の中残った多くのサポーターを前に、涙で言葉をつまらせた。「みなさん……」それ以上話すことができず、チームメイトに抱えられて選手の列に戻った。

 最下位脱出のためには勝利しかない町田だったが、開始早々湘南ベルマーレに先制を許してしまった。8試合連続得点中の攻撃陣は懸命の反撃を試みるが、この日のゴールは遠かった。勝又は切り札として後半30分から出場したが不発。キャプテンとして、エースとして臨んだJリーグだったが、結果は無念の最下位だった。

 試合後、1時間以上経過して記者の前に姿を現した勝又は「まだ実感がないし、うまく言葉にならないです」とうつろな表情で語った。

 シーズン序盤から町田は苦しんだ。開幕は黒星だったが、第3節で初勝利。5~8月は16試合未勝利と低迷した。リーグ2位のパス本数(第41節終了時)を誇りながら得点は奪えず、失点はかさんだ。ショートパスをつなぐスタイルを掲げたが、初めて挑んだJ2の舞台は町田のスタイルを許してはくれなった。

「監督が目指しているのはキレイなフットボール。疑問を持っている選手はいない」。勝又はチームが同じ方向を向いていたことを強調しながらも、「いいサッカーをしていても結果がついてこなかった。1対1の局面でやられてしまったので、個人が成長する必要がある」と、結果を出せなかったことを悔やんだ。

「J2残留」という目標を達成できなかったが、下を向いてばかりはいられない。12月15日には天皇杯4回戦(vsガンバ大阪)が待っている。

「いろいろな人の協力でここまできた。一歩下がっちゃったけど、みんなの力で一歩ずつ上がっていけばいい。ここまできたら、天皇杯は切り替えて優勝目指してがんばりたい」

 この日、18時キックオフのJFL第33節で、2位長野が藤枝に敗れたため、V・ファーレン長崎の優勝が決定。町田と長崎による入れ替え戦はなくなり、明日12日のJリーグ臨時理事会で承認されれば長崎のJ2昇格と町田のJFL降格が正式に決まる。

(取材・文 奥山典幸)

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