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1票差でベスト11入りの広島・水本、「DF陣を代表して取った賞」

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 Jリーグは3日、横浜アリーナで「2012 Jリーグアウォーズ」を開催し、初優勝したサンフレッチェ広島からは最多の5人がベストイレブンに選出された。05年以来、7年ぶり2回目のベストイレブン入りとなったFW佐藤寿人を除けば、GK西川周作、DF水本裕貴、MF青山敏弘、MF高萩洋次郎の4人はいずれも初選出。まさに広島のための2012シーズンだった。

 J1の18クラブの監督および選手の投票によって決められるベストイレブン。その得票数を見ると、DF部門で3位だった水本は65票で、64票で4位のDF森脇良太(広島)とはわずか1票差だった。さらに50票で5位だったDF千葉和彦(広島)を含め、広島の3バックが3~5位に並んだ。

「DF陣を代表して取った賞だと思う。2人に感謝したい」。森脇と千葉への感謝の言葉を述べる水本は「(優秀選手賞32人に)8人がノミネートされて5人がベストイレブンに入った形だけど、みんなで勝ち取ったものだと思う」と、2人とともに優秀選手に入りながらベストイレブンには選ばれなかったMF森崎和幸、さらには他のチームメイト全員を代表しての受賞だと強調した。

「できればカズ(森崎和幸)もベストイレブンに入れてほしかった」と語った寿人だが、「青山、高萩の2人は僕が広島に来てからずっと見てきた選手。そういう生え抜きの選手だけでなく、チームに新たな力を加えた(西川)周作やミズ(水本)もプラスアルファをもたらしたからこそ、ベストイレブンに選んでもらったと思う」と指摘。理想は11人全員が選ばれることではあるが、それぞれの特色が表れたベストイレブンだった。

 寿人の得点王に代表されるとおり、観る者を魅了する広島のパスサッカーは攻撃面ばかりがクローズアップされるが、実際には守備面でも34試合でわずか34失点しかない。これは横浜FMの33失点に次ぐリーグ2番目に少ない数字。しかもフェアプレー賞(高円宮杯)を受賞するなど、フェアプレーの精神も併せ持った“堅守”が初優勝の原動力となっていた。

 34試合で退場者はゼロ。「フェアなプレーをしながら結果を出せたことは自信になる」と話す水本は、得点数も63で、G大阪の67得点に次ぐリーグ2位だったことに触れ、「得点も失点も2位だったのは悔しいけど、みんなで取り組んできた成果だと思う」と指摘。「一人でも多くの人にサンフレッチェのサッカーを見てもらいたい。これからクラブW杯、来年にはACLという機会もある。そういう場所でもっともっと多くの人に知ってもらいたい」と決意を新たにしていた。

(取材・文 西山紘平)

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