湘南チョウ・キジェ監督「目標はACLに出ること」
昨シーズン、J2から昇格したばかりのサガン鳥栖は、J1最終節までAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を争った。その戦いぶりは、J2を戦う各クラブに大きな勇気を与えるものだった。だが、3シーズンぶりにJ1に昇格する湘南ベルマーレのチョウ・キジェ監督は、さらに高い目標を設定した。
「昨年、鳥栖さんが、初めてJ1に昇格したチームの最高順位である5位を獲りました。湘南も『もしかしたら』と思われるかもしれませんが、全くそうは思いません。われわれは、われわれのスタイルを磨くことにまい進しないといけません」と、語った。スタイルを磨くために、もう少し低い順位を目標に掲げるかと思われたが、指揮官の意図は逆だった。「その中で、選手たちには『目標をあえて言うなら、ACLに出ることだ』と伝えました」。
今シーズン、湘南は新たに14選手を加えている。しかし、補強したのは若手が中心で、J1の舞台でピッチに立った経験を有する選手は決して多くない。『経験』という点で、大きなハンデを抱えているように思われるが、チョウ・キジェ監督は、その考えを否定した。
「『J1は未知の世界』と、よく言います。うちの選手でJ1に50試合以上出場しているのは、古橋(達弥)と下村(東美)くらいです。他の選手たちは経験したことがありません。仮にシーズンの最後、うちがJ2に降格するポジションにいたら、みなさんは『経験値がなかった』と書くと思います。でも、僕は全然そう思っていません。テレビで見て、自分たちで感じる中で、あの質、レベルは分かっているはずです。ということは、スタートに立ったわれわれは、日々の練習や取り組みで、そこに近づく、もしくは上回るクオリティを出さないといけない。そういうことを選手に感じてほしかったし、そのためには本当にレベルの高い選手が必要です。そこで、昨年より多い、こういうメンバーに集まってもらったという意図があります」。多くの選手を補強したのも、チーム内での競争を激しくし、J1の舞台で結果を出すためだと強調した。
2013年に入り、約10日間ほどイタリアにサッカー研修へ行ってきたというチョウ・キジェ監督。「テレビでも見られるのですが、生で見た感覚を大事にしたいと思い行ってきました。サポーターが沸く場面、サポーターが怒る場面がシンプルなんです。前に行けるときに前に行かなかったら怒るし、シュートを打てるときに打たないと怒る。なんでそこでそんなタックルをするんだって怒る。その原点は、われわれの目指すオンリーワンのスタイルにとって、大事なこと。そこを突きつめて、『J1で何ができるか』じゃなくて『何をしていくか』を原点に考えて、僕がセリエAを見て感じた感覚を、みなさんにも感じてもらえるように良いチームをつくっていきたいと思います」と、宣言した。
昨シーズンの開幕前、湘南のJ1昇格を予想する者は少なかった。2年連続で、しかも違うカテゴリーで続けて結果を出すことは、簡単なことではない。「越えるべきハードルは高いです。まだ始動して3日ですが、選手に対しては、そういう(ACL出場権獲得のために)高い要求をしているつもりです。これを365日続けて、最後にどうなっているか。自分なりに良い想像をしながら、選手たちと一緒に頑張っていきたいと思います」。昨シーズンに続き、『3位以内』を目標に掲げ、3度目のJ1昇格を遂げた湘南は新たなシーズンに挑む。
(取材・文 河合拓)
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2013年Jリーグ移籍情報ページ
「昨年、鳥栖さんが、初めてJ1に昇格したチームの最高順位である5位を獲りました。湘南も『もしかしたら』と思われるかもしれませんが、全くそうは思いません。われわれは、われわれのスタイルを磨くことにまい進しないといけません」と、語った。スタイルを磨くために、もう少し低い順位を目標に掲げるかと思われたが、指揮官の意図は逆だった。「その中で、選手たちには『目標をあえて言うなら、ACLに出ることだ』と伝えました」。
今シーズン、湘南は新たに14選手を加えている。しかし、補強したのは若手が中心で、J1の舞台でピッチに立った経験を有する選手は決して多くない。『経験』という点で、大きなハンデを抱えているように思われるが、チョウ・キジェ監督は、その考えを否定した。
「『J1は未知の世界』と、よく言います。うちの選手でJ1に50試合以上出場しているのは、古橋(達弥)と下村(東美)くらいです。他の選手たちは経験したことがありません。仮にシーズンの最後、うちがJ2に降格するポジションにいたら、みなさんは『経験値がなかった』と書くと思います。でも、僕は全然そう思っていません。テレビで見て、自分たちで感じる中で、あの質、レベルは分かっているはずです。ということは、スタートに立ったわれわれは、日々の練習や取り組みで、そこに近づく、もしくは上回るクオリティを出さないといけない。そういうことを選手に感じてほしかったし、そのためには本当にレベルの高い選手が必要です。そこで、昨年より多い、こういうメンバーに集まってもらったという意図があります」。多くの選手を補強したのも、チーム内での競争を激しくし、J1の舞台で結果を出すためだと強調した。
2013年に入り、約10日間ほどイタリアにサッカー研修へ行ってきたというチョウ・キジェ監督。「テレビでも見られるのですが、生で見た感覚を大事にしたいと思い行ってきました。サポーターが沸く場面、サポーターが怒る場面がシンプルなんです。前に行けるときに前に行かなかったら怒るし、シュートを打てるときに打たないと怒る。なんでそこでそんなタックルをするんだって怒る。その原点は、われわれの目指すオンリーワンのスタイルにとって、大事なこと。そこを突きつめて、『J1で何ができるか』じゃなくて『何をしていくか』を原点に考えて、僕がセリエAを見て感じた感覚を、みなさんにも感じてもらえるように良いチームをつくっていきたいと思います」と、宣言した。
昨シーズンの開幕前、湘南のJ1昇格を予想する者は少なかった。2年連続で、しかも違うカテゴリーで続けて結果を出すことは、簡単なことではない。「越えるべきハードルは高いです。まだ始動して3日ですが、選手に対しては、そういう(ACL出場権獲得のために)高い要求をしているつもりです。これを365日続けて、最後にどうなっているか。自分なりに良い想像をしながら、選手たちと一緒に頑張っていきたいと思います」。昨シーズンに続き、『3位以内』を目標に掲げ、3度目のJ1昇格を遂げた湘南は新たなシーズンに挑む。
(取材・文 河合拓)
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