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通算100勝目のトニーニョ・セレーゾ監督「前半も我々のプロセスの方が良かった」

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[4.6 J1第5節 鹿島1-0C大阪 カシマ]

 J1通算100勝。過去3人しか達成していない偉業を成し遂げた鹿島アントラーズのトニーニョ・セーレゾ監督は「勝つと記者が減りますね」と、笑顔で試合後の記者会見場に現れた。中3日で臨んだJ1第5節は難しい一戦となった。今シーズン、勝利のなかったC大阪の前になかなかボールを保持できない時間が続く。それでも、粘り強く勝ち点3をつかんだ。

 過去にも鹿島を指揮し、常勝軍団をつくりあげた指揮官は、前半からチームが何をするべきか分かっていたという。「立ち上がりは相手が前からプレスを掛けて、うちのビルドアップを防ごうという狙いがありました。私たちはチームとして瞬時に切り変え、綺麗なサッカーではなく、確実なことをやらないといけません。ロングボールを入れて相手を下げさせる作業ですね。90分、相手がプレッシャーを掛け続けることは不可能です。ですから、前半のポゼッション率はC大阪の方が高かったと思いますが、効率性、目的意識、どうやってゴールにたどり着くかという面では、我々のプロセスの方が良かったと思います」と、胸を張った。

 実際に後半、C大阪の運動量が落ち、試合は鹿島ペースで進んだ。そして後半13分にはFWダヴィが相手のバックパスに対し、猛烈なプレッシングを掛け、C大阪のGKキム・ジンヒョンのミスを誘発。ボールを奪ったダヴィはMF遠藤康にパス。これを遠藤が豪快にゴールに蹴り込み、1点を挙げた。その後もC大阪に好機を与えることなく試合は終了している。

 勝利への道筋をしっかりと示し、J1で4人目となる偉業を達成した指揮官。2000年にはチームを史上初の年間三冠(リーグ、ナビスコ杯、天皇杯)にも導いている男の目には、タイトルへの道筋も見えているはずだ。

(取材・文 河合拓)

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