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我慢の試合を振り返る愛媛MF赤井「今日の内容なら勝ち点1はポジティブ」

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[5.12 J2第14節 横浜FC 0-0 愛媛 ニッパ球]

 前節、栃木SCに3-0と快勝した愛媛FCだったが、横浜FCとの試合を戦ったチームは、まるで別のチームようだった。「1試合を通して選手たちの動きが重たかった」と石丸清隆監督も首をひねる。連戦から来る疲労に加え、自分たちのミスが足を重くした。

 試合序盤、愛媛はビルドアップでミスが起こり、横浜FCに決定機を与えた。特にブレーキとなったのが、MFトミッチだった。石丸監督は、背番号10を付けるクロアチア人を起用した理由について「吉村のダメージがあまりにも大きく、ケガ上がりのトミッチの方がコンディションは良いということで起用した」と明かし、「ただ、プレーは今までの中で一番良くなかったと思う。しっかり修正して次につなげてくれればいいかなと思います」と、注文を付けた。

 愛媛は速攻を多用するチームだ。中盤から前へうまくボールを動かせないと、選手は前に出ることをためらうことになる。前に出ることで生じるスペースを使ったカウンター返しを狙われるからだ。実際、横浜FCのMF松下裕樹も「相手がカウンター狙いだったので、自分たちもボールを失ってから、もう一度取り返したあとの逆カウンターで攻撃できたらなと思っていました」と話している。

 だが、愛媛はビルドアップがうまくいかなかった。そのため、後方の選手たちが前線に飛び出していく回数が減った。横浜FCの目線で言えば、中盤でボールを奪っても、相手の選手が残っていたため攻撃を加速することはできない。結果、「なかなか、そういう(逆カウンターの)場面もなくて、(攻撃が)ゆっくりしちゃったかな」と松下が振り返るような展開となった。

 そして、試合は膠着した。ボールを保持しながら隙をうかがう横浜FCと、ボールを持たせて隙をうかがう愛媛。その我慢比べの中で、両チームに疲労の色が濃く出て、スペクタクルとは程遠い試合となってしまった。

 試合内容についてMF赤井秀一も、「自分たちの展開に持ち込めなかった。何度かあったカウンターの中で、一つ決めないといけない」と反省する。それでも、決して悪いことだけではない。

「守備が(失点)ゼロに抑えられたことは良かったと思いますし、今日の試合内容なら、勝ち点1を取れたこともポジティブなことだと思う」と、赤井は2試合連続無失点に抑えた守備面を強調した。

(取材・文 河合拓)

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