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勝利に胸を張るMF中町「マリノスを目指してもらわないと」

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[7.23 親善試合 横浜FM3-2マンチェスター・U 日産ス]

 横浜F・マリノスは23日、プレシーズンのツアーを日本で行っているマンチェスター・ユナイテッドと対戦した。前半を1-2とビハインドで折り返した横浜FMだったが、後半4分にDFファビオのゴールで同点に追い付くと、試合終了間際の同42分にもFW藤田祥史がゴールを決めて、3-2で勝利した。

 MF中村俊輔が、発熱のため前半20分でピッチを離れる緊急事態。そんな中盤でMF中町公祐は攻守に存在感を放った。的確にボールをつなぎゲームをつくったかと思えば、相手選手に体を当ててボールを奪うなど、中盤を縦横無尽に駆けた。

「疲れましたよ」と言いながらも、中町の表情は充実感に満ちていた。

「Jリーグだと、ぶつかると相手が倒れてファウルになっちゃうような場面があるんですけど、相手も体が強いからぶつかっても倒れなかった。体のぶつけ甲斐はある感じがしました。Jリーグで引っ張って、イエローになるような場面でも、相手は倒れないでグイグイ行っていたので、さすがだなと思いました。体をぶつけても倒れないから、いつもより体をぶつけなければいけない。だから、疲れましたよ」

 それでも、他の場面でも、随所にレベルの高さを感じたと目を輝かせる。「小林祐三がカットインしたときなんかも、Jリーグでは取られないところで、相手の足が伸びてきていたりした。相手の攻撃を遅らせられるかなというときも、全体的に突破されたりして、身体能力が高いなと感じました。自分のプレーへの参考にはできないと思いますが、能力がある選手にどう守備をするか。能力の高い守備陣をどう打開するかは、つかめた部分もあるので、Jリーグに活かしていきたいと思います」。

 前売りチケットは完売。試合前の雷雨の影響があった中でも、6万5372人の観衆を集め、地上波でも生中継された。この注目の一戦を制したことの意味を中町は強調する。

「小さな子供たちも、マンチェスター・ユナイテッドを見ると思います。でも、マリノスを目指してもらわないと。やっぱり国内のトッププロが無様な試合を見せていたら、僕らのことを目指さなくなる。そういう意味では結果を残せて良かったです」

 この日の勝利は、赤いユニフォームを着て日産スタジアムに足を運んだ小さなサッカー選手たちにも、きっと何かを残したに違いない。

(取材・文 河合拓)

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