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PO進出を争う千葉と栃木の一戦は痛み分けに

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[11.17 J2第41節 千葉1-1栃木 フクアリ]

 J2は17日、第41節を行い、フクダ電子アリーナでは5位のジェフユナイテッド千葉と9位の栃木SCが対戦した。勝てばプレーオフ進出が決定する千葉に対し、栃木は敗れればプレーオフ進出の望みが絶たれる一戦であり、互いに勝ち点3が必要な一戦だった。前半8分にMF田中佑昌の今季9点目となるゴールで先制した千葉は、後半8分にFWサビアに同点ゴールを決められる。その後もホーム最終戦を勝利で飾りたい千葉と大逆転でのプレーオフ進出を目指す栃木は、オープンな試合を繰り広げたが、互いに譲らずに1-1で試合は終了。両チームにとって、手痛い結果となった。

 2連敗中の千葉は、前節の長崎戦(0-2)と同じスタメンで試合を迎えた。一方、松本育夫監督就任後、4勝1敗と好調の栃木は、前節の北九州戦(3-2)と同じフィールドプレーヤーで試合に臨んだが、GKは榎本達也から柴崎邦博に変更した。
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 千葉はMF兵働昭弘が序盤から積極的にミドルシュートを放っていく。前半6分には栃木もFWクリスティアーノが強烈なシュートをゴールマウスに飛ばしたが、GK岡本昌弘がパンチングで枠外へ弾き出した。同8分には早くも試合が動く。右サイドにボールを展開した千葉は、DF米倉恒貴がゴール前にクロスを入れる。これを田中が右足のボレーで合わせてゴールに突き刺し、ホームの千葉が先手を取った。さらに12分にも千葉は左サイドで巧みなボールコントロールを見せたFWケンペスが、栃木陣内中央に生じたスペースにパスを出す。そこにMF町田也真人がフリーで走り込んだが、わずかにパスが合わなかった。

 栃木を押し込む千葉は、前半15分にも町田を中心としたパスワークから好機をつくり、ゴール前の混戦からケンペスがシュートを放ったが、DFに当たったボールは、わずかに右に外れた。これで得たCKをDFキム・ヒョヌンが体で合わせたが、シュートはゴール左に外れている。さらに同20分にも千葉は、右サイドから町田と兵働の連係でチャンスを通ると、兵働のパスがDFに当たってケンペスの前に転がる。J2の得点ランクトップに立つブラジル人ストライカーは素早くフィニッシュに持ち込んだが、これは判断良く飛び出したGK柴崎にブロックされた。

 球際の強さを見せながら徐々に盛り返す栃木は、前半37分にMF三都主アレサンドロをベンチに下げて、MF菊岡拓朗をピッチに送り出す。三都主は不満を露わにロッカールームに戻って行く。この早い時間帯での選手交代をプラスに作用させたい栃木だったが、逆に千葉にボールを持たれて押し込まれる回数が増えてしまい、1点ビハインドのまま前半を終えている。

 後半の立ち上がりから、栃木はプレッシングを強める。前半4分にはFWサビアが町田を倒して、千葉に直接FKを与えてしまう。これを兵働が狙ったが、GK柴崎が枠外に弾き、難を逃れた。同7分にも千葉の速攻を受けた栃木だったが、ゴール前で田中が合わせたシュートは左に外れた。迎えた同8分、栃木はクリスティアーノが絶妙な浮き球を千葉の最終ラインの裏に落とす。そこに走り込んだサビアが、ループシュートでGK岡本の牙城を崩して試合を振り出しに戻した。

 勢いづいた栃木は、後半13分に田中のシュートブロックからロングカウンターに出る。近藤がボールを運び、DFとGKの間にクロスを入れる。サビアが走り込んでいたが、これはGK岡本にキャッチされた。同16分には千葉もカウンターを仕掛ける。町田がケンペスにボールを預けると、前線に走って再びボールを受ける。そのまま右サイドを突破すると、田中の走りでフリーになっていたケンペスがボールを受けて、左足でシュート。決定的な場面だったが、シュートはクロスバーを叩いた。

 後半19分日はパウリーニョのサイドチェンジを起点に、最後はクリスティアーノがミドルシュートを放つが、GK岡本にキャッチされる。その直後には千葉も兵働がゴール右隅にシュートしたが、GK柴崎が抑えた。オープンな試合展開の中で、千葉のベンチが動く。後半25分に田中を下げて、MF深井正樹を起用する。同27分に決定機をつくったのは栃木だった。中盤でボールを奪ったサビアが、クリスティアーノにボールを預けてゴール前でリターンパスを受ける。しかし、勢いよく放ったシュートはクロスバーを越えてしまい、逆転できなかった。

 栃木は後半30分にMF廣瀬浩二に代えて、MF湯澤洋介を左SHに入れ、近藤を右SHに移した。同36分に栃木はGK柴崎のミスからピンチを招く。深井にプレッシャーを掛けられると、キックを町田に渡してしまう。町田のシュートはGK柴崎が防ぎ、そのこぼれ球を戻ってきたDFが何とかクリアーした。少しずつ栃木ゴールに迫りだした千葉は、37分に兵働を下げて、FW森本貴幸を起用する。同38分には米倉のクロスをファーサイドで深井が合わせたが、シュートは右に外れていった。

 残り5分を切ると、両チームが最後の交代枠を使う。栃木は近藤を下げて、FW久木野聡を起用。対する千葉は町田を下げて、MF谷澤達也に勝ち点3の望みを託した。両チームともに、最後まで死力を尽くしたが、追加点を挙げることはできずに1-1で試合は終了。千葉はプレーオフ進出を確定することができず。一方の栃木もプレーオフ進出の可能性が最終節まで残るかは、17時から試合を行う徳島の結果待ちとなった。

(取材・文 河合拓)
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