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決勝点アシストの横浜FC・DFドウグラス「自分たちの準備が良かった」

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[3.22 J2第4節 横浜FC2-1山形 ニッパ球]

 この試合、横浜FC山口素弘監督が強調したのは、ボールの回収についてだった。「データでは、J2の支配率はウチが1位で、山形さんが2位ということだった。選手たちには『ボールを握りたければ、奪いに行け』と話していました。奪うところと守るところの判断ができていたと思う」と、振り返る。

 それを体現したようなプレーが、後半35分だった。モンテディオ山形のMFディエゴがボールを持ち、体を外向けたまま縦にパスを入れた。これを狙っていたのが、DFドウグラスだった。

「自分たちの準備が良かったと思います。監督から、そういう縦パスが入ってくるということは言われていました。そういう準備があったからこそ、ボールを奪うことができたと思います。あのときも『パスが来る』というのが頭の中にありましたし、ボールが弱かったのでチャンスだと思いました。ああいうプレーは自分の持ち味ですが、仲間があって、その特長も生きるのです」

『良い攻撃は、良い守備から始まる』。この場面は、まさにそんな格言がピタリとハマる。ボールをカットしたドウグラスは、そのままボールを持ち上がり、前掛かりになっていた山形守備陣の裏を突く。右サイドから最終ラインの裏にボールを送ると、走り込んだFW黒津勝がボールを受けて、DFとの駆け引きを制してゴールネットを揺らした。

 昨シーズン、なかなか欲しい形でボールを受けられなかった黒津の特長を、今季新加入のドウグラスは見事に生かした。「(攻め上がって疲れていたので)最後の力を振り絞って、あそこにパスを出した感じでした。走っている黒津選手は見えていました。彼が良い動きをしていなかったら、あのパスもなかったので、彼を誉めないといけません」。そうドウグラスは、得点を挙げた黒津に感謝した。

 この得点直後、ドウグラスは自身がゴールを挙げたかのように喜びを爆発させていた。「パスが決まったからだけではありません。自分たちはキツイ練習をやってきています。それに対して結果が出たことがうれしいのです」。普段からこなしているトレーニングは、ウソをつかない。2連勝にも満足せず、ドウグラスは「今週、また良い練習をして、良い準備をして、そこに集中して勝ち点3を取りたいと思います」と、力強く3連勝を誓った。

(取材・文 河合拓)

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