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岐阜の元日本代表DF三都主と東京VルーキーDF安西がみせたサイドの攻防

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[5.3 J2第11節 東京V0-1岐阜 国立]

 元日本代表DFと高卒ルーキーDFが繰り広げたサイドの攻防は、ベテランSBに軍配が挙がった。FC岐阜のDF三都主アレサンドロ東京ヴェルディのDF安西幸輝。三都主はフル出場で完封勝利に貢献したが、安西は前半のみでの悔しい途中交代。試合後の表情は対照的だった。

 安西は「もっと仕掛けようと思っていたが身体が思うように動かなかった」と暗い表情。失点シーンでこそ、FW難波宏明に競り負けたものの、試合を通じては攻守に運動量をみせている中での交代だった。それでも「結果が出なかったので交代は当たり前。自分でも感じている」と自分自身に言い聞かせるように話した。

 三都主とのマッチアップについては「落ち着いているし、キックも上手。スピードは対応できたけれど、キャリアを重ねているという感じがした」と振り返った。試合に入る前、コンディションは問題ないと感じていたが、実際にピッチへ入ると、思うように身体が動かず。「今日みたいに身体が重いときに、どう相手をいなすか考えないといけない」と反省しきりだった。

 一方、勝利した岐阜の三都主は明るい表情。「国立のいい雰囲気のなかでサッカーができて、結果を残せてうれしい」と勝利を喜ぶ36歳のベテランDFは「どう対応すればいいのか考えていた」と"安西対策"を立てていたことを明かした。「彼の癖や、スピードがあることは知っていたし、積極的なプレーをしてくるのは分かっていた。そこに対応しながら、僕はどうプレーするかだった」。

 終始、落ち込んだ様子で話した安西。それでも、ルーキーイヤーとなる今季、開幕から7戦連続で先発出場を果たし、途中出場も含めると全試合に出場しているのは、十分な結果といえる。そして、日本代表として国際Aマッチ82試合に出場している三都主に、その存在を知られ、警戒されるのは光栄なことだろう。「次は讃岐戦。絶対に落とせない。なかなか勝てないけれど、しっかりと次に向けて準備をして、勝ち点3を取りたい」。悔しさを噛みしめながら、安西は前を向く。プロ1年目のルーキーが味わった悔しさ。それは、一回り大きくなるために、必要な試練だったに違いない。

(取材・文 片岡涼)

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