PO3位のジンクス打破!!“最強の3位”福岡が5年ぶりJ1昇格決める
[12.6 J1昇格プレーオフ決勝 福岡1-1C大阪 ヤンマー]
J1昇格プレーオフの決勝が6日にヤンマースタジアム長居で行われ、シーズン3位のアビスパ福岡が同4位のセレッソ大阪と1-1で引き分け、5年ぶりのJ1昇格を決めた。
準決勝の戦いから中6日、両チーム休養十分でこの日の一戦を迎えた。3位チームとして史上最高勝ち点の82を挙げてプレーオフに進出した“最強の3位”福岡は、準決勝で長崎を1-0で撃破。リーグ戦を8連勝で終えた勢いを継続させている。
レギュレーションで言えば、90分で決着がつかなかった場合は、3位の福岡が勝ち上がりを決めることになっている。ただこれまで過去3度、3位のチームはJ1に上がれていないというジンクスも存在する。ただ福岡には、5年周期で昇格を決めている“逆ジンクス”もあり、どちらが継続されるかにも注目が集まった。
一方のC大阪は、リーグ最終節直前にパウロ・アウトゥオリ前監督を解任。大熊清強化部長を急きょ監督に据えてプレーオフを戦っている。準決勝では愛媛と0-0で引き分けたものの年間順位による優位性で、1年でのJ1復帰に望みをつないだ。
準決勝から福岡がメンバーを変えなかったのに対し、C大阪はMF楠神順平に代えてMFパブロを先発出場させた。さらに決勝の地は偶然にもホームの長居。サポーターの数でも上回っていたとおり、“地の利”を活かした戦いを仕掛けたいところだった。[スタメン&布陣はコチラ]
お互い慎重に立ち上がった序盤戦だが、前半20分すぎ、福岡にアクシデントが襲う。前線でポイントになる動きを見せていたFW酒井宣福が右もも裏を抑えて倒れ込んでしまう。ピッチ外で治療を試みたが、試合に戻ることは困難と判断され、同24分にFW金森健志と途中交代した。
タレント力で上回るC大阪はセットプレーからチャンスを伺う。特にFW玉田圭司の左足から放たれるキックは正確で、左サイドのCKではニアサイドを狙い続け、得点の可能性を見せる。さらに前半38分にはパブロがドリブル突破からスルーパス。右サイドで深く入ったFW田代有三のシュートに繋げる。GK中村航輔に弾かれたが、両チームを通じ、前半唯一のビッグチャンスを作った。
そして後半15分、ついに均衡が敗れる。ピッチ中央でボールを持って前を向いた玉田が、MF関口訓充に当てる。パスを出した玉田は猛ダッシュで最前線に入ると、DFの間に出されたスルーパスに反応。最後は倒れ込みながらも左足で流し込み、C大阪が先制に成功した。
何とか同点に戻したい福岡だが、前掛かりとなる気持ちとは裏腹にボールを上手く前線まで運ぶことができない。ならばとゴール前で獲得したFKで直接ゴールを狙うが、29分のDF中村北斗のシュート、同32分のFWウェリントンのシュートはいずれも壁を叩き、ゴールまで届くことはなかった。
両チーム終盤に入ると、交代カードを積極的に使ってゲームを進めていく。得点が欲しい福岡はFW坂田大輔とFW中原貴之の得点能力の高い2枚をピッチに送り込み、井原正巳監督は選手たちにすべてを託す。一方のC大阪は後半33分にMF橋本英郎に代えてDF扇原貴宏を投入。確実にゲームを終わらせに入った。
すると後半42分、劇的な展開がやってくる。福岡は金森のキープからDF亀川諒史がオーバーラップ。クロスは中で合わずファーまで流れたが、MF中村北斗が右足を振り抜くと、ボールが左サイドネットに突き刺さる。ボルテージが最高潮になる中、1-1で試合を終わらせた福岡が、5年ぶりのJ1昇格を決めた。
(取材・文 児玉幸洋)
●2015 J1昇格プレーオフ
J1昇格プレーオフの決勝が6日にヤンマースタジアム長居で行われ、シーズン3位のアビスパ福岡が同4位のセレッソ大阪と1-1で引き分け、5年ぶりのJ1昇格を決めた。
準決勝の戦いから中6日、両チーム休養十分でこの日の一戦を迎えた。3位チームとして史上最高勝ち点の82を挙げてプレーオフに進出した“最強の3位”福岡は、準決勝で長崎を1-0で撃破。リーグ戦を8連勝で終えた勢いを継続させている。
レギュレーションで言えば、90分で決着がつかなかった場合は、3位の福岡が勝ち上がりを決めることになっている。ただこれまで過去3度、3位のチームはJ1に上がれていないというジンクスも存在する。ただ福岡には、5年周期で昇格を決めている“逆ジンクス”もあり、どちらが継続されるかにも注目が集まった。
一方のC大阪は、リーグ最終節直前にパウロ・アウトゥオリ前監督を解任。大熊清強化部長を急きょ監督に据えてプレーオフを戦っている。準決勝では愛媛と0-0で引き分けたものの年間順位による優位性で、1年でのJ1復帰に望みをつないだ。
準決勝から福岡がメンバーを変えなかったのに対し、C大阪はMF楠神順平に代えてMFパブロを先発出場させた。さらに決勝の地は偶然にもホームの長居。サポーターの数でも上回っていたとおり、“地の利”を活かした戦いを仕掛けたいところだった。[スタメン&布陣はコチラ]
お互い慎重に立ち上がった序盤戦だが、前半20分すぎ、福岡にアクシデントが襲う。前線でポイントになる動きを見せていたFW酒井宣福が右もも裏を抑えて倒れ込んでしまう。ピッチ外で治療を試みたが、試合に戻ることは困難と判断され、同24分にFW金森健志と途中交代した。
タレント力で上回るC大阪はセットプレーからチャンスを伺う。特にFW玉田圭司の左足から放たれるキックは正確で、左サイドのCKではニアサイドを狙い続け、得点の可能性を見せる。さらに前半38分にはパブロがドリブル突破からスルーパス。右サイドで深く入ったFW田代有三のシュートに繋げる。GK中村航輔に弾かれたが、両チームを通じ、前半唯一のビッグチャンスを作った。
そして後半15分、ついに均衡が敗れる。ピッチ中央でボールを持って前を向いた玉田が、MF関口訓充に当てる。パスを出した玉田は猛ダッシュで最前線に入ると、DFの間に出されたスルーパスに反応。最後は倒れ込みながらも左足で流し込み、C大阪が先制に成功した。
何とか同点に戻したい福岡だが、前掛かりとなる気持ちとは裏腹にボールを上手く前線まで運ぶことができない。ならばとゴール前で獲得したFKで直接ゴールを狙うが、29分のDF中村北斗のシュート、同32分のFWウェリントンのシュートはいずれも壁を叩き、ゴールまで届くことはなかった。
両チーム終盤に入ると、交代カードを積極的に使ってゲームを進めていく。得点が欲しい福岡はFW坂田大輔とFW中原貴之の得点能力の高い2枚をピッチに送り込み、井原正巳監督は選手たちにすべてを託す。一方のC大阪は後半33分にMF橋本英郎に代えてDF扇原貴宏を投入。確実にゲームを終わらせに入った。
すると後半42分、劇的な展開がやってくる。福岡は金森のキープからDF亀川諒史がオーバーラップ。クロスは中で合わずファーまで流れたが、MF中村北斗が右足を振り抜くと、ボールが左サイドネットに突き刺さる。ボルテージが最高潮になる中、1-1で試合を終わらせた福岡が、5年ぶりのJ1昇格を決めた。
(取材・文 児玉幸洋)
●2015 J1昇格プレーオフ