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大宮の一員として初のダービーを戦ったGK加藤順「埼スタでリベンジしたい」

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[5.8 J1第1ステージ第11節 大宮 0-1 浦和 NACK]

 苦い結果のゲームとなった。公式戦10戦無敗で6位の大宮アルディージャは、ホームに首位の浦和レッズを迎えた。今季、自身が出場した試合で一度も負けていなかったGK加藤順大にとっては、2年前まで所属していた古巣との初対戦でもあった。

「非常に良い雰囲気をスタジアムがつくってくれた。その雰囲気に恥じないプレーをしたいと思っていた」と加藤順は試合前の心境を振り返る。その加藤順を筆頭に、大宮は昨季J2を戦う中で培った自分たちの良さを出していった。

「全体の守備は集中できていた。と、加藤順が話したように、J1で首位に立つ浦和にチャンスを与える回数は少なかった。ゴール前にクロスが送られてきても「ミシャ(ペトロヴィッチ監督)の下でプレーもしていましたし、見ていたので、どこから仕掛けてくるかはイメージしやすかった」という加藤順が、しっかりとボールを抑えていた。

 このまま得点を許さず、後半にベンチに温存していた外国籍を投入する。そんな大宮のプランが狂ったのは、前半44分だった。自陣の深い位置でボールを奪われると、そこからMF柏木陽介とMF武藤雄樹の連係で中央を割られ、最後は浮いたボールを柏木に右足でゴールに決められた。

 シュートコース自体はGKの守備範囲にも見えたが、左利きの柏木が右足で打ってきたことで反応が遅れたわけではないという。

「(右足で)振ってくるのはわかっていた。(ボールの)取られ方、時間帯とかを考えないといけない」と、ボールの失い方を悔しがり、「ああいうところで(浦和は)しっかりチャンスをつかんでくる。切り替えの早さは見習わないといけない」と、唇を噛んだ。

 結局、この1点が決勝点となり、大宮はリーグ戦で4節の広島戦以来の黒星を喫した。試合後、浦和のサポーターの前に挨拶に行った加藤順は、「移籍が決まってから、(サポーターに)挨拶に行けず、ずっとモヤモヤしていました。今日は、どんな結果になっても試合後は挨拶に行こうと思っていましたし、ようやく(育ててくれた)感謝を伝えられたと思います」と話す。

 心残りだった挨拶はできたものの、悔しさは消えない。それを消すのは7月17日、アウェーでのさいたまダービーしかない。「次は埼玉スタジアムでリベンジしたい。リベンジできる自信も今日の試合でできたので、次は必ず勝ちたいと思います」と、誓いを新たにした。

(取材・文 河合拓)
●[J1]第1ステージ第11節 スコア速報

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