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レアル移籍の久保建英、横浜FMにもFC東京にも感謝「一生忘れない」

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試合後、壮行セレモニーを行ったMF久保建英

[6.29 J1第17節 FC東京4-2横浜FM 味スタ]

 FC東京からレアル・マドリーに完全移籍した日本代表MF久保建英(18)の壮行セレモニーが29日、味の素スタジアムで行われた。FC東京対横浜FMの試合後、下部組織時代を含めて約4年間在籍したFC東京、さらには昨季半年間、期限付き移籍でプレーした横浜FMのファン・サポーターの前で挨拶。場内を一周し、惜別のときを過ごすと、最後はチームメイトから胴上げされた。

 FC東京のチームメイトがつくる花道を抜けてピッチに入った久保はセンターサークルの中央に立ち、雨の中、場内のオーロラビジョンに映し出された自分自身のFC東京でのプレー集をサポーターとともに見つめた。

 映像に横浜FM時代のプレーが含まれていなかったため、横浜FMのサポーターからはブーイングも飛んだが、マイクの前に立った久保はまずスタンドマイクを回転させて後ろを向き、「横浜F・マリノスのファン・サポーターの皆様、さっき(横浜FM時代に決めた)自分のJ1初ゴールが流されなくてブーイングが出ていたと思いますけど、あとで自分が言っておきます」とユーモアたっぷりに挨拶し、大きな拍手を浴びた。

「半年間という短い間でしたが、今、自分がこうやってここに立てているのはマリノスに半年間、レンタルできたことが非常に大きいと思っています。感謝しかありません。ありがとうございます」。そう横浜FMのサポーターに感謝を述べると、改めて背後を振り返り、「改めまして元FC東京の久保建英です」とFC東京のファン・サポーターへ挨拶。「いいことばかりではなかったですけど、自分の力もあり、みんなの力も借りて、一人前のサッカー選手として東京を背負って世界に羽ばたいていけることを誇りに思います」と力強く語った。

 13歳だった15年3月にスペインから帰国し、FC東京U-15むさしに加入した当時を振り返り、「最初はあんまり練習とかにも行きたくなくて、つらい時期もあったけど、むさしのみんなが仲良くしてくれて、飛び級でユースに上がって、ユースのみんなが仲良くしてくれて、トップチームに上がってからもトップチームの選手に助けてもらって、今の自分があると思っています」と率直に語った。

 ゴール裏のスタンドにはスペイン語で「東京から世界へ」を意味する「久保建英 15 De tokio al mundo」との横断幕も掲げられた。「東京に来てから3年半から4年ぐらい経ちましたが、(海外に)行きたくなるぐらい濃い時間だったと思うし、苦渋の決断でしたが、自分の決断に誇りを持って、東京での時間は一生忘れないので本当にありがとうございました」と感謝の思いを伝えた。

 10歳だった11年夏からバルセロナの下部組織カンテラで育った久保だが、クラブが18歳未満の外国人選手獲得・登録に関する規定に違反したとして国際サッカー連盟(FIFA)から制裁を受けた影響で公式戦出場停止処分が続き、15年3月に退団。当時13歳の久保はFC東京U-15むさしに加入し、翌16年には中学3年生ながらFC東京U-18に飛び級で昇格した。

 16年の日本クラブユース選手権(U-18)では中学生ながら得点王に輝き、チームの優勝に貢献。9月にはトップチームに2種登録され、16年11月5日のJ3長野戦に途中出場し、Jリーグ史上最年少出場記録を塗り替えた。17年にはU-20W杯とU-17W杯に出場し、同年11月にFC東京とプロ契約を結び、17年11月26日の広島戦でJ1デビュー。昨年8月から半年間は横浜FMに期限付き移籍し、昨年8月25日の神戸戦でJ1初ゴールを決めた。

 FC東京に復帰した今季は開幕スタメンに名を連ねるなど主力として活躍。2得点を挙げた今月1日の大分戦(○3-1)まで13試合出場4得点を記録し、チームの首位快走を牽引した。日本代表にも初招集され、今月9日のエルサルバドル戦に途中出場し、歴代2番目の年少記録となる18歳5日でA代表デビュー。コパ・アメリカ(南米選手権)にも全3試合に出場し、南米の強豪相手に数多くの見せ場をつくった。

(取材・文 西山紘平)

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