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シーズン終盤失速6位も「吹っ切れた」山形、柳貴博が絶妙クロスで2点目演出

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2点目の起点となったMF柳貴博

[12.1 J1参入プレーオフ1回戦 大宮0-2山形 NACK]

 勝負の後半、攻撃の圧を強めた。年間6位でシーズンを終え、勝たなければ2回戦に進めないモンテディオ山形は交代カードを切って攻め込むと、後半29分にオウンゴールで先制に成功。そこから守りに入ることなく、もう一点を目指した姿勢が勝利につながった。

 1-0で迎えた後半37分、MF柳貴博が貴重な2点目の起点となった。右サイドでFWジェフェルソン・バイアーノのパスを受けた柳は逆サイドに絶妙なクロスを入れると、MF山田拓巳が頭で折り返し、FW山岸祐也が押し込んだ。鮮やかなダイレクトプレーで勝利を決定付ける追加点。前線からのプレス、アグレッシブな守備面でも上回った山形が完封勝利をおさめ、最初の関門を突破した。

 FC東京の下部組織で育った柳は16年にトップ昇格し、J3を主戦場に経験を積んだ。今季、期限付き移籍で山形に加入。自身初のJ2の舞台で28試合に出場し、2ゴール6アシスト。緊張感あるアウェーのプレーオフでも持ち味を発揮した。

 チームは最終節の敗戦を含め、ラスト4試合で10失点3敗とシーズン終盤に失速。7位水戸とは勝ち点、得失点差で並び、総得点数で上回ってのプレーオフ圏6位死守となったが、この一週間でしっかりと立て直した。

「流れがいいとは言えなかったんですが、6位になったからこそ吹っ切れた。いくしかないという状況でみんなが前を向いて積極的にプレーできたからこそ、今日の結果につながったと思います」

 プレーオフ2回戦は一週間後の8日、再びアウェーで年間4位の徳島ヴォルティスと対戦する。2回戦にも弾みをつける完勝劇。「今回以上に気合を入れて、相手の勢いのさらに上をいけるように準備をしていきたい」と意欲をにじませた。

(取材・文 佐藤亜希子)
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