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「9月入学・新学期」導入ならJ秋春制再検討も?17年の否決理由が揺らぐ可能性

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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの厳しい決断を迫られる日々が続いている。安倍晋三首相は「9月入学・新学期」を導入する議論に前向きな姿勢を示した。

 学校のカレンダーが変われば、様々な分野に動きが波及する可能性が出てくる。日本のサッカー界は現在、春から秋にかけて行われる日程で進行している。ただし欧州が秋春制のため、代表強化を考えると、デメリットを指摘されている。

 Jリーグもこれまで何度か秋春制への移行を議論した時期があったが、いずれも決定には至らなかった。最近では2017年に22シーズンから秋春制を導入したいとする案を否決していた。

 17年当時、村井満チェアマンは9項目を挙げて移行しない理由を説明。また、原博実副理事長も育成面では学校カレンダーと一緒になっていた方がいいとし、「欧州もサッカーがありきじゃなくて、世の中の流れ、文化がシステムに合っている」と力説していた。

 ただし学校が9月始業となれば、話が変わってくる。もちろん企業の期ずれの問題や真冬の雪国での試合開催など17年に村井チェアマンが説明した理由を完全にクリアにすることは難しそうだが、話し合われる可能性は十分に出てきそうだ。

 以下は当時説明された9つの移行しない理由。

1、移行しない方が、リーグ戦実施可能期間が1か月以上長い。

2、移行するとシーズン終盤の4、5月にAFCチャンピオンズリーグのグループステージ終盤やラウンド16が入る。出場4クラブだけがリーグ戦最終局面を厳しい日程で戦うことになる。

3、移行しても1月に移籍する選手は減らない可能性が高い。また夏のウインドーならば移籍金が少なく済むとは言い切れない。

4、シーズン末に決勝が集中することは世界基準で違和感がない。

5、「雪国に相当設備のスタジアム等が整備されるだろう」という期待を前提とした移行を、経営リスクととらえるクラブ経営者が多い。

6、移行期の0.5年または1.5年での収益確保は、Jリーグ54クラブそれぞれの課題で難易度が高い。

7、現シーズンは学校年度と完全ではないが、ほぼ揃っている。移行して半年ずれてしまうマイナスは大きい。

8、企業との期ずれも、企業側でヒアリングしたところ、修正は難しいとの見方が多い。

9、移行カレンダーの1、2月に計4試合予定されているルヴァン杯は、検証したところ他の期日にプロットできない。Jリーグはルヴァン杯を全国のホームタウンで通年開催したいと考えており、移行カレンダーではルヴァン杯が成立しておらず、Jリーグの考えではカレンダー自体が成立していない。

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