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浦和の“反対声明”に言及…村井チェアマン「一定の理がある」経緯も説明

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村井満チェアマン(オンライン会議アプリ『Zoom』のスクリーンショット)

 Jリーグの村井満チェアマンは16日、第9回臨時実行委員会後の報道陣向けオンラインブリーフィングで、浦和レッズが発表した横断幕掲出禁止に対する反対声明に言及した。

 質疑応答の終了間際、駆け込みで声明リリースを読んだ記者からの質問に応答。「まだ詳細を見ていないので申し上げられない」と前置きをしつつも、これまで行ってきた意思決定の経緯を次のように明かした。

「お客様とリーグを運営したいというのはずっと2月から申し上げてきたことで、無観客試合、リモートマッチについては最後の手段としたい、なるべくお客様と一緒にいたいと申し上げてきた。ただ今回のリモートマッチについて、ファン・サポーターの応援フラッグ、バナーを『入れないならスタジアムに搬入させてもらえないか』というサポーターの申し出があった」。

 こうしたサポーターの声を受けて、クラブ運営担当者は「実行委員会に諮る前に二度三度、Jリーグの担当者と長時間にわたって協議」をしていたという。その際、Jリーグ側としては「サポーターの思いをリスペクトしたい」という意見も提示したようだ。

 一方、運用面では問題が山積していた。「サポーターがスタジアム内で複数人で掲出作業をしたら密接な状況が起きてしまうかもしれないし、多くの人が触れたフラッグの消毒もたいへんな作業になる。ファン・サポーターと受け渡しをする際にはリスクも伴うこともある」。その結果、最終的には「大多数のクラブ」が「一定の制限を加えたい」ということで合意した。

 ただ、浦和は「思いを届けたいというサポーターの声を最後まで主張していた」という。また村井チェアマンも「一定の理がある話」と理解をし、あらためて実行委員会にも議案を上程。そこで全クラブ代表者が再び意思決定を行った結果、一律禁止する形で合意に至ったようだ。

 もっとも村井チェアマンは、無観客試合が長引いた場合に方針転換を行う可能性も残した。「第二波、第三波、またリモートマッチの必要性に迫られることもあるかもしれないので、クラブを思うサポーターの気持ちを考えていきたい」と述べた。

 Jリーグは12日に発表した新型コロナウイルス感染症ガイドラインにおいて、無観客試合では全クラブ統一でファン・サポーターによる横断幕掲出を禁止するというルールを発表していた。浦和は15日、この決定に対して「統一ルールではなく各クラブで判断するべき」として「反対」の意を表明。Jリーグと55クラブに提言書を送付した。

(取材・文 竹内達也)
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