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「去年の悔しさを忘れたことはなかった」横浜FM高丘陽平がスーパーセーブ連発で“鬼門”攻略

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横浜F・マリノスのGK高丘陽平

[4.10 J1第8節 鹿島 0-3 横浜FM カシマ]

 終盤まで0-0で進んでいった上位対決の中で、勝敗を大きく分けたのは横浜F・マリノス守護神による2つのスーパーセーブだった。無失点で勝利に導いたGK高丘陽平は「鹿島のようなチームとやる時には90分間で決定機は絶対に何個かあるので、自分が止めるか止めないかが勝敗に直結すると思っていた。自分としても準備できていたし、心構えはできていたので落ち着いて対応できた」と胸を張った。

 最初の決定機は前半41分に訪れた。鹿島GKクォン・スンテの高弾道パントキックが自陣ゴール前に飛んでくると、横浜FMは最終ラインで処理することができず、うまくボールを収めたFW上田綺世がエリア内に侵入。ところが、そこに立ちはだかったのが高丘だった。股下を狙ってきたボールにしっかり狙いを定め、スーパーセーブ。味方のミスで招いた大ピンチからチームを救った。

 高丘によると、このセーブには昨季の苦い経験が活きていたという。「去年のホームでやった時、上田選手に股を抜かれて失点したシーンがあって、今日もそのシーンになった時に股が来るんじゃないかというのが一瞬よぎった」。昨年8月28日の日産スタジアムでの対戦で、左サイドを攻め上がってきた上田に股を抜かれて失点。その教訓もあって「それで股下のシュートに対応できたと思う」と振り返った。

 また後半7分にも、MF樋口雄太の右CKに反応したMF三竿健斗の強烈なヘディングシュートをファインセーブ。やや劣勢となりかけていた時間帯だっただけに、勝敗を大きく左右するビッグプレーだった。こうした守護神の活躍で0-0の状況が保たれ、チームは終盤でのゴールラッシュにより勝利。3-0で終わった試合とはいえ、高丘はMVP級の働きを見せた。

 チームにとって10年ぶりとなるカシマでの勝利なら、高丘にとっても“鬼門突破”となった。昨季のアウェーゲームでは、1-0で迎えた前半40分に自身のファンブルから同点ゴールを許し、反撃を狙った終盤にも足元でのボール処理を誤って失点するなど、高丘のミスから3-5の敗戦を喫した記憶があるからだ。

「去年のことなので分けて考えるようにしていたけど、去年の悔しさを忘れたことはなかった」。試合後、静かに心境を吐露した26歳は「アウェーのカシマで勝つのはなかなか難しいけど、チーム全員で掴み取った勝利だと思う」と謙虚に喜びを語った。

(取材・文 竹内達也)
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