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劣勢の復帰戦で一気に流れを引き寄せも…柏FW武藤「ゴールを決めて勝利に貢献したい」

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今季初めてプレーした柏FW武藤雄樹

[4.29 J1第10節 柏1-4鳥栖 三協F柏]

 リーグ2連敗で迎えたホームのサガン鳥栖戦。柏レイソルは左アキレス腱断裂で手術を受けていたネルシーニョ監督が、満を持してベンチに復帰していたものの、1-4の惨敗を喫し3連敗となった。

 前半はシュート1本に抑えられたうえに、2点を先行される苦しい展開に。そんな状況を打開するべく後半開始から投入されたのが、指揮官と同じタイミングで負傷から復帰したFW武藤雄樹だ。今シーズンから柏にとって特別な背番号である9番に変更したが、開幕前の2月に右膝半月板損傷で離脱することが発表されていた。

 負傷から約2か月、0-2で迎えたハーフタイムの交代でピッチに送り込まれると、3-4-2-1の右のシャドーでプレー。後半4分、5分と続けざまにシュートを狙い、前半6分のMFマテウス・サヴィオを最後にシュートがなかったチームへ勢いをもたらした。「武藤さんが入ってくるだけで流れは変わった」と1トップに入っていたFW細谷真大もピッチで実感していたという。

 すると同10分、MFマテウス・サヴィオのクロスを鳥栖DFがクリアしたこぼれ球を武藤が拾うと、右足を振り抜く。ボールは枠からはそれていたものの、軌道上にいた細谷がワンタッチでコースを変えてゴールに流し入れた。

 5分後には再び柏に決定機。細谷のシュートがGK朴一圭を襲うと、そのこぼれ球を武藤がつめたが、シュートはクロスバーを越えてしまった。柏の攻勢が続いていたが、同19分にサイドを崩されて鳥栖に3点目を奪われてしまい勝負は決した。「いい流れがあった中で、僕がチャンスを外していい流れをもっていかれた」と武藤は唇をかんだ。

 今季初めてのプレーに対して、武藤は「細かいことを言えばいろいろあったんですけど、大きく言えば順調にリハビリが進んで。トレーナーやいろんな方に支えられながら今日ピッチに立ったんですけど、痛みはなくて、自分の中では思いきりプレーできた」と安堵の表情を見せた。

 シュート以外にも、前線でボールをおさめたり、ポストプレーを見せるなど、それまでとは違ったリズムをチームにもたらした武藤。「技術的に高いものを持っていますし、若手を引っ張っていくという意味でも存在感がある選手」と指揮官も期待を寄せる。「サッカーをしている一番の喜びはゴールを決めるところですし、ゴールを決めて勝利に貢献したいという思いを強く持っている」。昨夏に浦和レッズから加入以降、まだゴールはない。柏の背番号9を託されたストライカーは、ゴールを狙い続ける。

(取材・文 奥山典幸)
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