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川崎Fに完敗喫した鳥栖…川井監督は選手をねぎらう「無謀かチャレンジか。その違いは認識してあげないと」

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鳥栖は4失点で完敗

[8.31 J1第20節延期分 川崎F 4-0 鳥栖 等々力]

 サガン鳥栖は敵地で4失点の完敗を喫した。しかし、川井健太監督は敗戦にも顔を上げる。「失敗はもちろん僕も望んでいない。ただ、成功すればオッケーです。無謀かチャレンジか、その言葉の違いだけは認識してあげないといけない」と戦う姿勢を見せた選手たちをねぎらった。

 大逆転で3連覇を狙う川崎フロンターレの勢いに圧された。序盤からボールを握られると、前半26分にビルドアップのパスミスからカウンターを浴びて先制される。後半も開始早々から終盤までコンスタントに決められ、0-4で終了した。

 大量失点での敗戦にも、指揮官は選手たちの姿勢を強調する。「選手たちはファイトしてくれました。その中で失敗があったけど、それを引きずるのではなくて、もうひとつ前にというところでやってくれたのでそこは評価したい」。果敢な縦パスや前に進む意識は見せたが、その裏を突かれて失点してしまう場面も。「残念ではありますけど、ただこういう試合はある。その後が大事で、こういう試合を肌感覚で味わわないと上にはいけない。そういう意味では、それでも前に行くという姿勢を出してくれた選手を評価したい」と語った。

 1失点目はパスミスからの失点だった。ゴールキックからDFジエゴがボールを持つと、相手2選手のハイプレスに遭う。その隙間から左サイドの裏を狙い、DF中野伸哉に縦パスを送ったが、タイミングが合わず。逆にDF山根視来にダイレクトで自陣サイドの裏にパスを通され、FW家長昭博に失点につながるクロスを上げられた。

「1失点目も意図がないわけではなかった。本当に何も考えずにあそこに出した、ではない。それが合わなかった。それはチャレンジだと思います。われわれはそういうところを成功させるようにやり続けていますし、そこはやはり時間がかかるところもあります。そこの失敗をああだこうだ言うのは、もっと先でいいかなと思っています」(川井監督)

 川崎Fのストロングである家長と山根のサイドには対策も練っていた。開始時は4バックだったが、1失点目後には3バックに変更。中盤と守備陣でサイドへの枚数を増やした。「誰がどう見ても、左サイドはうまくいってなかった。まず人数を揃えましょうと変更をしました」。その後は安定感も垣間見せていたが、指揮官は後半から4バックに戻す決断へ。「後半からまた4にしたのは、今シーズンは本当にもううまくやろうという試合を設けたくはないので、それでも、もっと前に僕らは行かなければいけないというところで、僕が決断して変えました」。選手が見せた戦う姿勢。敗れはしたが、指揮官もその背中を押すべく執った采配だった。

 古巣戦となったMF森谷賢太郎は「移籍をして初めての等々力での試合。バスを降りた後のファン・サポーターの皆さんの顔はすごく懐かしいなって思いながらスタジアムに入りました」と振り返る。

 大敗にも前を向く指揮官の姿勢を、森谷も理解を示す。「0-4で負けてしまって言うのもあれですけど、僕たちは、サガン鳥栖として魅力あるサッカーをしています。川崎に負けないくらいのサッカーをしている」。両チームを体感した森谷だからこそ、両者の違いと、いま進む方向性の自信を口にしている。

「きょうはそれが出せなかったんですけど、そこの差は一つひとつのパスの出し方だったり、どこにつけるか、相手がどう来ているからこっちに出すかとか。(川崎Fは)本当に細かいところにこだわっている。まだまだ僕たちにはそこが足りないなというのは感じました。けど、すごく誇りを持ってこのサッカーをしている。越えなきゃいけない壁だと思うので、この壁を越えてタイトルに近づけるようにやっていきたい」

(取材・文 石川祐介)
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