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指揮官も「素晴らしいプレー」と称賛、横浜FMの新守護神オビは「少しでも修正できたら」と来週のJ1開幕を見据える

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ゴールを守ったGKオビ・パウエル・オビンナ

[2.11 FUJIFILM SUPER CUP 2023 横浜FM 2-1 甲府 国立]

 新守護神が今季最初のタイトルマッチで勝利に貢献した。横浜F・マリノスは昨季の守護神GK高丘陽平が海外移籍の交渉のためにチームを離脱。前日会見でケヴィン・マスカット監督が明言したとおり、この試合ではGKオビ・パウエル・オビンナがゴールを守った。

 流通経済大を卒業後、2020年から横浜FMに加入した。当時の正守護神・朴一圭を始めとしたGK陣では4番手となっていたため、同年夏に栃木SCにレンタル。10月に横浜FMに復帰すると、秋から冬にかけては実力の片鱗をのぞかせる。ACLでは元ブラジル代表MFオスカル(上海上港)のPKをストップし、勝利に貢献した。

 だが、21年からは高丘に正守護神の座を譲り、オビは再び栃木に期限付き移籍をした。昨季に復帰すると、高丘とともにGKチームを牽引。3年ぶり優勝を陰ながら支えてた。

 マスカット監督は前日会見で、自らオビの起用を明言した。「去年からいい準備をしてきたと思っていますし、プレシーズンでも強みを出してくれた」。日々の研鑽を見逃さなかった指揮官は、新シーズン幕開けの大一番で25歳GKをピッチに送り出した。

 スーパー杯で相まみえた天皇杯王者・ヴァンフォーレ甲府には、序盤から攻撃を浴びた。前半8分にはセットプレーのこぼれ球を、PA手前から鋭いミドルで狙われる。しかし、オビが横っ飛びの好反応。大事な序盤の時間帯での失点をしっかりと防ぎ切った。

 横浜FMは前半30分に先制するが、同44分にはカウンターから失点を喫する。しかし後半16分に勝ち越しゴールを挙げ、2-1で初のスーパー杯制覇を果たした。マスカット監督は「素晴らしいプレーをしたと思う」と称賛。「我々がボールを保持した中ではあったが、前半に素晴らしいセーブもあった。彼自身、自信になったのではないかと思う」と労をねぎらった。

 一方、オビ本人は「相手のシュートチャンスはそんなに多くなかった」と振り返る。それでも守備陣との連係では「GKまであまりプレッシャーは来なかったので、少し余裕は持てたんですけど、CBの負担にならない関わり方を、開幕までにちょっとでも修正できたらいい」とさらなる改善点を挙げた。

 昨季はリーグ最少失点タイを誇ったJ1王者だが、今季は高丘やMVP受賞のDF岩田智輝(→セルティック)といった守備の要が抜けた。新守備陣はJ1連覇に向け、17日の開幕節までさらなる微調整を行う。オビは「試合中に、もう少し来てほしいとか、逆に相手のプレッシャーがかかっているのであれば自分が引くと、細かい指示はあったので、もう少しすり合わせていきたい」と今季を戦い抜く意気込みを口にした。

(取材・文 石川祐介)
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