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バイシクルで同点弾演出!蹴り直しPKで大逆転! 川崎F家長昭博「1人減ってもチャンスはある」

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[2.25 J1第2節 鹿島 1-2 川崎F カシマ]

 J1通算400試合の節目を迎えた川崎フロンターレFW家長昭博が、1ゴール1アシストの大活躍で奇跡的な逆転劇を呼び込んだ。

 試合後に語った「自分が思う自分のパフォーマンスではない」との言葉どおり、試合全体のパフォーマンスからはトップコンディションではないことがうかがえる。それでもなお、チャンスが巡ってきた状況でのクオリティーにおいては、明らかな違いを見せていた。

 0-1で迎えた後半35分、DF山村和也の一発退場により、開幕節の横浜FM戦から2試合続けて数的不利での終盤を迎えた川崎F。だが、横浜FM戦ではDFジェジエウの退場から追撃の1ゴールを決めており、決して絶望的な状況ではない。また何より、この日は前節45分間のみで途中交代していた家長の存在がピッチにあった。

「1-0だったのでチャンスはあるかなと思っていた。開幕戦もそうだけど、1人減ってもチャンスはあると思っていた」(家長)

 その言葉どおりの働きを見せたのは後半44分、セットプレーからの流れでDF大南拓磨からの浮き球パスを受けると、バイシクル気味のシュートでゴールを狙った。「ボールは支配できたけど、決定的なチャンスまで行けていないところは感じている」というチームの課題がある中で、流れを変えるような一振り。キックはゴールマウスから外れたが、これにFW山田新が合わせて同点ゴールが決まった。

 さらに後半アディショナルタイム5分、今度は相手のハンドで獲得したPKを託された。相手GKとの駆け引きで蹴った“コロコロPK”は一度阻まれたものの、相手GKに反則があったとして蹴り直し。「ついてるなと思った」と引き続きキッカーを務め、今度は中央上にズドンと決めた。

 PK蹴り直しの際にはキッカーを変えるチームも少なくない中で、よりプレッシャーのかかるキックを沈め、劇的な決勝ゴールを記録した家長。「GKの立場に立ったらどういうふうなボールが嫌なのか、心理戦だと思う。あそこに蹴られたら嫌だと思う」と優位に立った駆け引きを誇った。

 とはいえ、自身やチームの状態はトップコンディションとはほど遠いのが現状。家長は「我慢しなくちゃいけないところもあるし、新しいことをやっているので、それを信じてやり続けないといけない。あとはゲームの中で、どこまでそういうオートマチックな部分を出しつつできるか。まだ折り合いを付けられていない部分もあるので、何とか勝ち点を拾いながら前進したい」と地道なレベルアップを誓った。

(取材・文 竹内達也)
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