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「目標はJリーグで活躍すること」。清水が大学日韓定期戦MVP、阪南大DF高木践の来季新加入内定を発表

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来季の清水エスパルス新加入内定が発表された阪南大DF高木践(4年=阪南大高)

 清水エスパルスは4日、阪南大DF高木践(4年=阪南大高)の来季(2024シーズン)加入内定を発表した。

 高校時代の恩師である濱田豪監督が「プロを狙えるだけのポテンシャルを秘めている」と評していたように、身体能力の高さはピカイチ。173cmの身長はセンターバックとして小柄だが、打点の高いヘディングとスピードを活かしたカバーリングで危ない場面を消し去る姿は逞しい。3月には関西選抜の一員として挑んだデンソーカップチャレンジで優勝に貢献し、全日本大学選抜に選出。大学日韓定期戦では、CKからヘディングシュートを叩き込んで勝利を引き寄せると、MVPにも選ばれた。

 阪南大では2年目から出場時間を伸ばし、昨年は守備の要として奮闘を続けてきた。高校時代は身体能力の高さだけで勝てていたが、カテゴリーが上がるとそれだけで相手を封じるのが難しい。

「大学ではギリギリでプロに行けなかった選手も多いので、強度や強さが全く違う。あまり身体が大きくない分、予測したり、身体を早く付けるようになった」。同時に大学に入って、後方からボールを動かすスタイルを経験したのも成長を促進した。

「阪南に来ていなかったら、選抜も選ばれていないと思うので入学して良かった。大学になると、一つひとつのパスの強さ、精度がやっぱり高校とは違う。とりあえずボールが来たら受けて叩こうとやっていくうちに、自分が組み立てていくぐらいの気持ちでやろうと思えた」。デンソーカップと日韓戦でも、自分から率先してボールを動かすことができ、確かな手応えを得たという。

 大学での活躍がJクラブのスカウトの目に留まり、昨年から複数のJクラブの練習に参加。清水には今年1月に行なわれた鹿児島キャンプに帯同した。昨年は3日間の練習参加だったが、2週間に渡っての参加で、「終盤になるにつれて身体も動くようになった」。チームとは違うサイドバックでのプレーとなったが、学んだことは多い。

「やれるなという感覚はあったけど、課題も感じました。パスの強度には付いていけるなと思ったのですが、試合中のポジショニングはまだまだ。チアゴ・サンタナとか、カルリーニョスなどブラジル人の能力が高く、もっとやらなければいけないとも感じさせられた。プロでやるとなれば、キャンプとか練習参加で学んだ身体の強さの部分やポジショニング、中でのスピード感を自チームでやらなければいけないと思った」

 プロではサイドバックや3バックの脇でのプレーを想定しているが、阪南大の朴成基監督は「大学に入った時もサイズがないからサイドバックかなと思っていた。プロでも結局センターバックでプレーしている気がする」と笑う。Jの舞台で強靭なアタッカー陣と対峙しても、互角にやり合えるだけの可能性を秘めた選手であるのは間違いないが、本人は決して高望みはせず、足元を見ている。

「目標はJリーグで活躍すること。海外でプレーしようとは全く考えていない。そんなことを考える余裕は全くない。J1で活躍するという目標を掲げていたら、必然的に目標が近付いてくるのかなと思います」

 迎えた大学生活ラストイヤーはプロでの活躍を見据えながらも、自チームでの活躍を誓う。先日、行なわれた第28回大阪サッカー選手権大会大学予選では「キャプテンは嫌い。引っ張る柄ではない」と渡されたキャプテンマークから逃げたのは彼らしさが出ていたが、中心選手としての自覚はピッチ内での立ち振る舞いから感じられる。「今年の目標はリーグ優勝。昨年が3位、一昨年は4位だったので、1位でインカレに出たい。総理大臣杯も入学してから出たことがないので、出たい」。タイトルを置き土産にプロのステージへと進むのが、描くプランだ。

(取材・文 森田将義)
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