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新国立のJリーグ30周年記念“多摩川クラシコ”はFC東京に軍配! 徳元が1G1Aの活躍、1人退場の川崎Fは終盤猛攻も追いつけず

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DF徳元悠平が1ゴール1アシスト

[5.12 J1第13節 FC東京 2-1 川崎F 国立]

 J1リーグは12日に第13節を行い、FC東京川崎フロンターレが対戦。『Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ』として国立競技場で行われた“多摩川クラシコ”は、FC東京が2-1で勝利を収めた。前半12分にDF徳元悠平が先制ゴールを決めると、同25分には徳元のアシストからMF安部柊斗が追加点を奪う。川崎Fは同39分にFW宮代大聖が1点を返すが、追いつくことはできなかった。

 伝統の多摩川クラシコは、1999年にJ2リーグで初対戦して以降、リーグ戦で40試合が行われている。FC東京が10勝、川崎Fが21勝で、ドローが9回。11位・FC東京は前節に今季初の連敗を喫した一方、6位・川崎Fは今季初の連勝を「3」まで伸ばしていた。

 FC東京はスタメン6人を変更し、4-2-1-3の布陣を敷く。GKはヤクブ・スウォビィク、4バックは左から徳元、DF森重真人、DF木本恭生、DF長友佑都。ボランチ2人はMF東慶悟とMF小泉慶。トップ下が安部、前線3枚は左からFW渡邊凌磨、FWディエゴ・オリヴェイラ、FW仲川輝人が入った。

 川崎Fはスタメン1人を変更し、DF登里享平が先発に復帰した。4-3-3の布陣で、GKは上福元直人、4バックは左から登里、DF登里享平、DF大南拓磨、DF山根視来。アンカーはMFジョアン・シミッチ、インサイドハーフはMF瀬古樹、MF脇坂泰斗。前線3枚は左からFWマルシーニョ、FW宮代大聖、FW家長昭博となった。[両スタメン&布陣]

 序盤は川崎Fが敵陣PAに迫るが、決定機とはならない。すると最初のチャンスを生かしたのはFC東京だった。前半12分、長友が右サイドからアーリークロスを上げ、PA中央の安部が頭で逸らす。左サイドに流れたボールを徳元が拾うと、1対1で抜き去りながらPA左に進入。利き足とは逆の右足を振り抜き、ゴール右に突き刺した。今季ファジアーノ岡山から加入した徳元にとって移籍後初ゴール、そしてJ1初ゴールとなった。

 その後はFC東京のペースになる。前半25分には追加点。D・オリヴェイラが前線でボールを奪い切り、左サイドに展開させる。徳元が鋭いグラウンダーのクロスを上げると、ゴール前の安部がスライディングで滑り込みながらゴールに押し込んだ。安部はリーグ戦4試合ぶりで今季2点目となった。

 川崎Fは2点ビハインドを追いかける展開となった。家長と山根を中心に右サイドから攻め立てる。前半28分、右サイドの家長からパスを受けた瀬古がPA右にパス。山根が反応し、PA右から折り返すが、味方には合わなかった。同37分には家長のミドルがGKスウォビィクにセーブされ、こぼれ球に宮代が詰める。だが、渾身のシュートも再びスウォビィクに阻まれた。

 1点を返したい川崎Fは前半39分に結実する。中盤からボールを運んだ瀬古がPA内にパス。宮代がボールを収めると、鋭いカットインから右足を振り抜き、今季4点目をゴール右隅に流し込んだ。

 点の取り合いの様相を呈しながら、前半はそのまま終了。FC東京が2-1のリードを守って後半に折り返した。

 FC東京が後半開始から攻め立て、守勢に回った川崎Fを追い込んでいく。後半6分、敵陣近くでボールをキープしようとした仲川が脇坂のタックルを受けた。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックから西村雄一主審がモニターで確認した結果、脇坂の足裏でのタックルが認められてレッドカード。川崎Fは1人少ない数的不利の状況で残り時間を戦うことになった。

 数的優位のFC東京は後半9分に右サイドから突破を図る。小泉が右サイドの深い位置までボールを運び、マイナス方向に折り返すと、最後は渡邊がシュート。だが、惜しくもクロスバーを直撃する。こぼれ球を仲川がオーバーヘッドキック。しかしミートせずにゴール枠外へと外れていった。

 数的不利の川崎Fは後半14分に2枚替え。マルシーニョと瀬古を下げ、FW遠野大弥とMF大島僚太を投入した。中盤はシミッチがアンカー、大島と遠野のインサイドハーフで、前線は宮代と家長が2トップの形を取った。FC東京も同15分にD・オリヴェイラに代えてMFアダイウトンを入れる。前線3枚を左から仲川、アダイウトン、渡邊という並びにした。

 両チームともに敵陣PA内まで入り込むものの、ゴールネットを揺らすまではいかない。FC東京は後半28分、渡邊を下げてMF塚川孝輝が入る。川崎Fは同30分、宮代と家長に代えてFW小林悠とMF橘田健人が出場した。川崎Fは33分に波状攻撃。大南が自陣右サイドからロングフィードを飛ばすと、PA左の遠野がトラップから鋭いボレーを放つ。GKスウォビィクのスーパーセーブにはじかれると、こぼれ球を山根が詰めるも決め切れない。

 川崎Fは後半37分にシミッチを下げ、FW山田新を入れて攻勢を強める。しかし、猛攻は実らずに試合終了となった。56705人が集結した国立競技場での多摩川クラシコはFC東京に軍配が上がり、3試合ぶりの白星奪取で暫定8位に浮上。川崎Fは連勝が「3」でストップした。

(取材・文 石川祐介)
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