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2か月ぶり先発復帰で中盤制圧も…鹿島MF佐野海舟「違いを出せる場面を作らないといけない」

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鹿島アントラーズMF佐野海舟

[6.4 J1第16節 浦和 0-0 鹿島 埼玉]

 鹿島アントラーズMF佐野海舟が約2か月ぶりの先発復帰戦でさすがのパフォーマンスを披露した。とくに前半は流動的なポジションで攻撃を組み立てる中、前半10分にはテンポの良いパス回しから決定的なシュートシーンも創出。その後も守備で浦和のビルドアップにことごとく立ちはだかり続け、あらためてクオリティーの高さを見せつけた。

 この日、22歳のMFが岩政大樹監督から託されたのは守備で持ち味を発揮しながらも、攻撃にも幅広く絡むタスク。「ニアゾーンを抜けて、いつもは後ろめだけど、少し前目のところをやるように言われていた」。その狙いは浦和の分析を受けてのもので「浦和のCBがあまり真ん中から動かないということだったので、ニアゾーンをしっかり取って、そこでついてきたらスペースが空くし、来なかったらマイナスが空くという話をしていた」という。

 この日の中盤にはダブルボランチを組んだMFディエゴ・ピトゥに加え、サイドハーフにMF樋口雄太、MF名古新太郎とボランチでもプレーできる選手が4人並んだ。「1枚が前に出てもしっかりと3枚で中を固めたり、守備の部分では前半はすごく上手くできていたと思うし、攻撃でも流動的に動けていた」。その言葉どおり、流動的なポジション取りで自身のシュートチャンスも作るなど、優勢を保った前半の試合展開を牽引していた。

 それでも佐野は自身の出来に満足していなかった。シュートがゴール左に外れた前半の決定機については「前半はいい感じにボールを回せて、自分含めてチャンスを作れていたけど、あそこは決め切るべき場面だったと思う」とキッパリ。「ああいうところを決めていかないと勝ち切れない」と責任を背負った。

 また悔いが残ったのは後半の戦い方だった。選手交代で戦い方を変えてきた相手に対して劣勢に転じた中、「少し引きすぎてしまった。もう少しリスクを背負ってでも前から行っても良かったかなと思う。後半に引いてしまう場面はああいうふうになるのも仕方ないと思うけど、場面場面で前から行くことが必要だと思う」と課題を指摘した。

 4月9日のJ1第7節柏戦で負傷交代し、左膝内側側副靭帯損傷で全治4週間と診断。5月14日の第11節名古屋戦でベンチ入りし、そこから3試合連続で約30分強の時間限定出場を続けた上で先発復帰戦したが、コンディションには向上の余地を残しているという。試合後には「(コンディションは)悪くはないけど、違いを出せる場面を作らないといけないし、前半だけでなく後半もどんどん走って違いを作れるコンディションに持っていかないといけない」とさらなるレベルアップを誓った。

(取材・文 竹内達也)
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