[6.28 J1第12節延期分 浦和 4-1 湘南 埼玉]

　自身初のリーグ戦2ゴールにも、MF関根貴大は悔しさをにじませる。「こんなハットトリック取れるチャンスないんで…もうそれだけを狙っていた。監督もそれを狙っているんじゃないかってくらい、引っ張ってくれていたので、それに応えたかったです」と振り返った。

　浦和レッズは前半20分にFW興梠慎三のゴールで先制に成功したものの、前半を1-0で折り返すと、後半8分に同点に追いつかれてしまう。だが、関根が勝利を手繰り寄せた。

　後半17分、MF伊藤敦樹からパスを受けると、果敢に敵陣内に入り込む。「その前の過程で自分がいいところで受けれましたし、相手と駆け引きしながらあの2人を滑らせることができた」。巧みなフェイントで相手2選手を翻弄し、ゴールを見据えて右足を一閃。前節に続く2試合連続ゴールを、右ポストを叩きながら決め切った。

　さらに、その5分後にも再び関根が躍動した。DF酒井宏樹からカウンターが始まると、MF大久保智明が右サイドを疾走。酒井が最前線を駆け抜けて相手守備陣を引き付けると、その後方でフリーとなった関根がダイレクトで沈めた。「大久保選手もいいボールをくれたので、絶対にふかさないようにというのだけ意識しました」。自身にとって初というリーグ戦連続ゴールで3-1と点差を広げてみせた。

　自身2点目の直後にもゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定でノーゴールに。その後もチャンスは続いたが、自身初のハットトリック達成とはならなかった。

　ハットトリック未達成には冗談交じりに悔しさを語りつつ、充実した様子ものぞかせる。「ゴールを決める前から調子はよかった。結果はなかなかついてこなかったですけど、いいプレーはできていたのかなとは思っています。ただ、こうやってゴールがついてくると、より体も軽くなる。ゴールに向かう姿勢をより出せていけるのかなと思います」。今後のさらなる活躍に自信を垣間見せた。

(取材・文　石川祐介)

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