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「誰が出ても同じクオリティのゲームを…」横浜FM實藤友紀がセルティックから千金弾「マリノスはどこからでも点が取れる」

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DF實藤友紀

[7.19 国際親善試合 横浜FM 6-4 セルティック 日産ス]

 激しい点の打ち合いで、3-3から再び横浜F・マリノスに点をもたらしたのはDF實藤友紀だった。スコットランド王者・セルティックを相手に冷静にGKとの1対1を制す。「(榊原)彗悟からすごくいいボールが来て、落ち着いて流すだけだった」と振り返った。

 今季リーグ戦出場がない男が、価値あるゴールを決めた。實藤は後半17分からピッチに出ると、その4分後にゴールネットを揺らす。FKの流れから中盤でボールを収めた榊原が浮き球パスを出すと、實藤が斜めの動きで相手守備陣の裏を突き、敵陣PA内に進入。ゴールに向かうボールをワンタッチで押し込み、飛び出したGKをかわすようにゴールに決め切った。

 Jリーグ王者・横浜FMの強みを見せつけた。「練習の成果というか、マリノスはどこからでも点が取れるというところを見せれた」。王者同士の合計10ゴールの乱打戦を制した。「打ち合いの展開でも打ち勝つというところが示せた。すごく前向きな試合」と手応えを口にした。自身は今季リーグ戦の出場はないが、だからこそ活躍する意味がある。「誰が出ても同じクオリティのゲームをしなきゃいけない。それが求められてる。そこの基準を下げないことは大事」。チームの誇りを懸け、自らのゴールにつなげてみせた。

 リーグ戦は首位を走るが、12日の天皇杯3回戦ではFC町田ゼルビアに大敗を喫し、15日の川崎フロンターレとのリーグ戦大一番も終了間際の失点に屈した。チームに漂う停滞感は全員が感じていた。だからこそ、今回のセルティック戦も意味のある試合にしなくてはいけなかった。「マリノスのエンブレムを着ける以上、戦う姿勢や前向きにやるプライドをみんな噛み締めて、きょうの試合に挑んだ」。勝ち点は生まれない親善試合だが、それでもチームに勢いを与えたはずだ。

 対戦相手のセルティックは、昨シーズンまでアンジェ・ポステコグルー監督が率いた。同監督は2018年から21年まで横浜FMを指揮。19年にJ1優勝を果たし、現在もそのスタイルはチームに浸透している。實藤は相手の攻撃から前田大然のフィニッシュまでの流れを見て、「やっぱりそういうところはアンジェのサッカーというか懐かしかった。21年、20年、19年のあの紅白戦のような感じ。これは点入りそうやなみたいな感じだった」と相手チームから恩師の雰囲気を察知していたようだ。

 親善試合は続き、23日にはプレミアリーグ王者、そしてUEFAチャンピオンズリーグを制したマンチェスター・シティを迎える。實藤は「勝てないだろうと思われてるかもしれない。だけど、僕らも勝つつもりで挑む。僕たちのホームなので、しっかり勝ちに行こうと思います」と勝利への意志を示した。

(取材・文 石川祐介)
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